健康な体づくり

注目のシニア向け本格エクササイズ
「スティックサイズ」

高齢者や足腰の弱い人でも安心して実践できるシニア向けのエクササイズ「スティックサイズ」があると聞き、さっそくジムを訪ねてみました。スキーのストックのようなものを使うようですが、果たして、どんなエクササイズなのでしょうか。

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スティックサイズを教えてくれるインストラクターの小島佑司さん、工藤優子さん/撮影:弓削ヒズミ

スティックを使って4支点運動が可能に

スティックサイズ」とは、2本のスティックを持ちながら、両脚の4支点で身体を支えて行う新しいエクササイズ。4支点によって体重の負荷を分散して「安定したバランス」と「足腰への負担を軽減する」ことで、シニア層でも安心して行うことができるそうです。

その特徴は大きく分けて3つ。

①4支点運動による安定した動作

高齢者・足腰の弱い人・リハビリ中の人でも、身体が安定するため安心して運動ができる。

②4支点を活かした身体の最良化

1つの動作でも、複数の部位に効くため、身体の可動域を広げやすくなる。また短時間で効率的な運動ができる。

③物を握りながら運動することで脳を活性化

スティックを握ることで、脳に刺激を与えながら運動ができる。

「スティックサイズ」で使用するスティックは、最近、よく見かけるノルディックウォーキング(ポールウォーキング)の物とは違い、強度や長さなども考えられ開発された専用スティックです。

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スティックを持ちながら、両脚の4支点で身体を支えるのが特徴/写真提供:株式会社セルビスタ

クロスカントリースキーをベースに考案

この「スティックサイズ」について教えてくれるのは、シニア層にお馴染みの「巣鴨駅」を降り、国道17号線を「巣鴨地蔵通り商店街」とは反対側に歩いて300mほど、今年2019年1月17日にオープンしたばかりのジム「スティックサイズ」のインストラクター小島佑司さん、工藤優子さんのお二人。

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元クロスカントリースキー選手でスティックサイズを考案した小島佑司さん(右)、ヨガやパーソナルトレーナーとしても活躍している工藤優子さん/撮影:弓削ヒズミ

スティックサイズを考案した小島さんは、国体や全日本選手権で活躍していたクロスカントリースキーの元選手。「当時、肩を痛めていて、パーソナルトレーナーで受けるストレッチよりも、スティックを使ったストレッチの方が可動域が出るのが不思議でした」と、現役時代に行っていたスキースティックを使った独自のストレッチを、新たなエクササイズにできないかと試行錯誤の末に完成させたメソッドが「スティックサイズ」ということです。

完成させるまでに、医師や研究者も取得するというトレーナー資格「NSCA・CSCS」を取得し、約1年間で300人ほどの効果検証も行いました。検証するなかで、骨折してから慢性的に肩の痛みを抱える祖母から相談を受けた小島さんは、さっそくスティックサイズを試してみたところ、症状は大きく改善し、肩の可動域も若い頃のように戻ったと喜んでもらえました。この祖母への体験が、高齢者にも安心してできるエクササイズの手応えを感じ、決心を固めたそうです。

身体も鍛えて、脳の老化防止にも

実際に記者も「スティックサイズ」を体験させてもらいました。まずエクササイズの前に健康スコアを測定して身体年齢を算出するのですが、いくつか試した時点ですでに最悪な結果に(笑) ここまで自分の身体の可動域が狭いのか、ここまで硬かったのかと思い知らされました。こうやって自分の状況を知ることも健康意識を高めてくれるはずです。

次に「スティックサイズ」のために開発したという専用スティックを握らせてもらうと、ノルディックウォーキングで使用するスティックよりも握り手が太く、全体的に長くなっています。長さは調整できて、最長で153cm、およそ成人女性の身長ぐらいまで伸ばせます。

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独自で開発したスティックサイズ専用の特殊スティック。スティックだけを購入することもできる/写真提供:株式会社セルビスタ

小島さん「いまマスコミでも血管年齢を若返らせるために『握力』が注目されていますが、特に『精密把握』といって指の第一関節をしっかりと使うことが大事だとされています。第一関節を使いやすいようにスティックのグリップを太くしました」

工藤さん「第一関節を使うことで、前頭葉を刺激して、老化防止、認知症予防にも繋がります」

「精密把握」といってスティックを握りながらの運動は、脳の老化対策にも有効と言われているそうです。身体を鍛えながら、認知症予防にもなるなんて一石二鳥ではないですか。

4支点で安心しながら身体を伸ばせる

インストラクターの工藤さんの手ほどきの元、いざ、スティックを使ったエクササイズに挑戦! まず写真のようにスティックを持ちながら上体を前に倒していきます。スティックに身体を任せるのは少し怖かったですが、スティックの剛性は充分にあるので、安心して身体を任せられます。ポーズを安定させると、どこに力が偏るわけでもなく、これが4支点のメリットなのかと実感できます。

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工藤さんが見本として見せてくれたポーズ。この後、記者がこれを体験/撮影:弓削ヒズミ

この状態で少しずつ膝を曲げたり、上体を少し下げるなど、身体を動かしますが、少し動かしただけでも膝裏がジンジンとしてきたり、自分の可動域の狭さを思い知ることに。さらに『SONIX』という音波振動マシンにスティックを乗せると微振動が伸ばしきれていない筋肉に響きます。

工藤さん「このマシンは、人体の中から振動させるので血流促進効果もあるんですよ」

たしかに短時間なのに額にはうっすらと汗をかいているので、血流が良くなった気がします。

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ジムの中は素足で運動できるように人工芝が敷かれている。右手前にあるのが音波振動マシン『SONIX』で日本には数台しかないとのこと/写真提供:株式会社セルビスタ

いつまでも動ける身体をキープして欲しい

エクササイズというと、激しい動きや、柔軟性を求められるイメージがありますが、4支点で行う「スティックサイズ」では、どの体勢も無理なくキープでき、ゆっくりと複数の筋肉を伸ばしていく動きが中心なので、シニア層向けというのも頷けます。続けていると発汗や、身体が伸びた効果も感じられたので、見た目以上に身体を使っているようです。

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4支点運動以外にもスティックを使ってさまざまなエクササイズが可能/撮影:弓削ヒズミ

小島さん「胸郭を広げて呼吸を意識しながら、体幹を介して全身を連動させるので、見た目以上の運動をしています。だからシニアだけではなく、現役アスリートにも有効なトレーニングとなります」

工藤さん「私はヨガ専門でやっていましたが、握力を使って体幹を繋げる運動はなかなかありません。スティックは補助道具以上の役割があります」

小島さん、工藤さんは、「スティックサイズ」がシニア層の予防医療・未病対策に役立ち、多くの人が、いつまでも動ける身体をキープして欲しいというのが願いだと言います。今後はトレーナー資格制度も導入し、「スティックサイズ」を広めていきたいということでした。

興味があれば、一度体験してみてはいかがですか。

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2019年2月取材


《協力》
株式会社セルビスタ

スティックサイズ大和郷本店
〒113-0021東京都文京区本駒込6-5-4 HM本駒込ビル1F

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