趣味や愉しみ

ブルートレインが蘇る?
宿泊施設「Train Hostel 北斗星」がオープン

惜しまれつつも、運行廃止となってしまった寝台列車「北斗星」が、このたび、2016年12月15日に宿泊施設として再現されます。かつて利用した人も、鉄道ファンも気になる「Train Hostel(トレインホステル) 北斗星」とは、どのような施設なのでしょう。

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写真:弓削ヒズミ

寝台列車や旅の思い出を語り合う

旅好きなシニア世代にとって、旅情を誘うのが「寝台列車」の4文字。70年代終わりには、寝台列車ブームや、西村京太郎のトラベルミステリー『寝台特急殺人事件』のヒットもあって、なかでもブルートレインはたいへんな話題となりました。当時、一人旅、ハネムーン、はたまた家族旅行で乗車した、なんて人もいるのではないでしょうか。しかし、人気とは裏腹に、寝台列車の多くが惜しまれつつ廃止が続き、いまでも寝台列車を懐かしむ声があがっています。

その寝台列車、最後のブルートレイン「北斗星」が復活? いえ、「北斗星」の車内備品を使った宿泊施設「Train Hostel 北斗星」が、12月15日にJR馬喰町駅直結のビルにオープンするというのです。「旅の道中が楽しくなるホステル」をテーマに、シンプルでリーズナブルな施設として誕生しました。

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写真の左側がJR馬喰町駅の4番出口になっているので、とてもアクセス良好。でも、あまりにもシンプルな玄関なので、気をつけないと通り過ぎてしまうかも/写真:弓削ヒズミ

「Train Hostel 北斗星」は、ホテルではなく、「ホステル」です。シニア世代にはあまり馴染みがないかもしれませんが、わかりやすい言葉で例えると「素泊まり」の宿泊施設。ほとんどのサービスがセルフです。ホステルでは、ホテルのような充実したサービスを楽しむのではなく、ラウンジやゲストルームで、宿泊客たち同士がコミュニケーションを楽しむのがおすすめです。宿泊客同士が「北斗星」や廃止された寝台列車などの思い出話に花を咲かせてみるには、最適な場所ではないでしょうか。

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ドミトリー(相部屋)のベッド。一部実写パーツを内装に再利用し、限られたスペースの中でも細部にまでこだわった空間を実現/写真:弓削ヒズミ

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完全に仕切られていて、プライバシーが保たれた個室。こんな空間で、ゆったりとトラベルミステリー小説を読むのもおすすめ。部屋の値段は4000円?(季節などによって変動)/写真:弓削ヒズミ

「長年、愛され続けてきた『北斗星』号なので、写真などの思い出の品をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。今後、そうした思い出の品を持ち寄っていただいて、館内に飾り付けられればいいなとも考えています。思い出が積み重なることで、また新たな魅力が、この施設に宿るのではないでしょうか」と語る運営会社の広報担当者・金子さん。

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2階には、ラウンジと共用キッチンがあり、宿泊者は自由に施設を利用できる。ラウンジの各所には食堂車で使われていた備品なども/写真:弓削ヒズミ

かつて「北斗星」が、東京と北海道を繋いだように、この施設も東京と地方を繋ぐ、旅の中継地であり、また、ブルートレインの思い出を繋ぐ中継地としても目指しているそうです。鉄道ファンならずとも、歴史を飾ったブルートレインゆかりの宿泊施設に、一度は泊まってみたくはありませんか?

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フロントの上には、こんな看板が。そのほかにも館内各所に鉄道を想起させる小物が配置され、そのこだわりぶりも楽しみのひとつ/写真:弓削ヒズミ

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文・写真=弓削ヒズミ(編集部)


≪概要≫
Train Hostel 北斗星
■所在地:東京都中央区日本橋馬喰町 1-10-12
■アクセス:JR総武線快速「馬喰町駅」4 番出入口直結
■構成:1Fフロント / 2Fラウンジ / 3F?5Fホステル/6Fシャワー・ランドリー
■規模:敷地面積106.52m2 / 延床面積693.97m2 (1階駅出入口含む)
■宿泊人数:78ベッド / ドミトリー形式2段ベッド(一部半個室タイプ)
■宿泊料金:2,500円/泊?
■運営事業者:株式会社R.project( http://rprojectjapan.com/

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