趣味や愉しみ

歳をとるのも悪くない
岡部睦のオトナの品格②

年齢を重ねていくと、知らぬ間に背筋が曲がっていたり、動きが緩慢になっていたりと、自分が老いたと思う瞬間があると思います。身体の衰えは仕方がないにせよ、気持ちだけでも、オトナとしての品格を保っていたいものです。1970年代に男性モデルとして活躍していた岡部睦さんに、年齢を感じさせない仕草や、シニアのファッションのポイントについてレクチャーしていただきました。

hinkaku_IMG-23

撮影:弓削ヒズミ

歩く時は、目線を上に、先を見つめる

男性モデルの草分け的な存在として活躍し、その後も大手プロダクションでモデル育成に尽力した岡部睦さん。モデル時代から「粋」であることを大事にし、ファッション、仕草、遊び方など、シニアとなった現在でも岡部流美学を貫いています。今回は「粋」な歩き方を教わりました。

hinkaku_IMG-19

歩くときに目線を上げれば、顔も上がるし、自然と背筋も伸びるはず/撮影:弓削ヒズミ

「歩く時は、常に先を見るぐらいの感じでいけば、目線が上がりますから、20~30メートル先を目安に見つめて歩くと『粋』にみえます。目線が下にくると、顔が下がりますから、見た目も暗くなってしまいます」

「歩く時は、まっすぐに歩くこと。歩道のタイルなどを目安にしながら、まっすぐ歩いてみましょう。それだけでも、さっそうと歩いている印象が出て、老いた感じはなくなります」

hinkaku_IMG-33

街中を歩くシニアを見ていると、老けた感じの人もいれば、何人かは、粋だなと思える人もいる/撮影:弓削ヒズミ

モデルが歩き方のトレーニングするときは、目線を先にすることが大事だそうです。自らの経験や、多くの若いモデルたちを見守ってきた岡部さんだからこそ、説得力のある言葉だと思います。

ちなみにファッションショーの場合、2階席のある会場も多く、目線の高さのままだと、上の階の客席からは、下を向いているように見えてしまうので、客席の2/3より上を見て歩くように指導するそうです。そうすると「粋」な歩き方に見えるとのこと。

毎日できる背筋を伸ばす簡単エクササイズ

いまも颯爽と歩く姿が素敵な岡部さんですが、日頃から、簡単なエクササイズを行い、姿勢や歩き方をキープされているそうです。そのエクササイズを特別に教えてもらいました。

「特別というほどではないですが、朝起きたら、身長を測る時のように、起立した状態で、背中を壁にピタっと付けるのです。僕は、この状態を毎朝5分続けています。この姿勢を続けると、必ず腹式呼吸になるので、5分後は腹筋も張ったような感じになります」

hinkaku_okabe_model_2

トップモデルとして活躍していたころの岡部さん。78年ごろに掲載されたファッション記事の一部/資料提供:岡部 睦

おそらく、お腹に力を入れて鍛える「ドローイン」の考えに近いのかもしれません。ちょっとした筋トレ効果も期待できそうです。

「壁さえあれば、誰でもできるので、おすすめです。最初は2~3分からでもいいでしょう。壁に背中を付けた状態のまま、まっすぐ歩き出せば、背筋の伸びた歩き方になります」

hinkaku_IMG-56

横浜の街は、景観が美しいのに加え、東京と比べて人間の歩くスピードがゆったりしているから好き/撮影:弓削ヒズミ

老若男女問わず、できるエクササイズだと思います。ぜひ、皆さんも毎朝の日課に取り入れてみたらいかがでしょうか。次回は、シニア世代のファッションについてお聴きします。

岡部睦のオトナの品格①を読む
岡部睦のオトナの品格③に続く

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2017年2月取材

■ Profile ■
岡部睦(おかべ・むつみ)
静岡県浜松市出身。トップモデルとして多くの雑誌、新聞、テレビCMに出演するかたわら、株式会社オスカープロモーションの新人教育を長年担当し、後進の育成・指導にあたる。1990年に独立し、ブラッシュアップスタジオを開設。自ら媒体への出演も行いながら、ショーの演出や講演活動など幅広く活動を行っている。

下へ続く
上へ戻る