趣味や愉しみ

天才アラーキーのデビュー作
『オリジナル版 さっちん』が半世紀を経て甦る

天才アラーキー伝説のデビュー作! 1964年太陽賞受賞し、雑誌発表後ネガが紛失。写真集になることなく消えた幻の『オリジナル版 さっちん』が半世紀を経て河出書房新社より書籍化されました。

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幻のデビュー作が、印刷技術によって復元

黒い丸メガネがトレードマークの写真家アラーキーこと、荒木経惟さんといえば、多くの人がヌードカメラマンのように思われているかもしれませんが、スナップや風景写真など、叙情的な作品も多く、76歳のいまでも、新たなことにチャレンジし続ける第一線の「写真家」です。

その荒木経惟さんの原点ともいえるデビュー作『さっちん』は、ある事情により書籍化されないでいました。

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『オリジナル版 さっちん』(著者:荒木経惟/発行:河出書房新社/定価:1,600円+税)/写真提供:河出書房新社

『さっちん』は、1964年に平凡社の第1回「太陽賞」を受賞した作品で、 受賞作として雑誌『太陽』に発表・掲載されました。しかし、その時に編集部に渡したネガが返ってこなかったため、写真集として出版されることはなく、幻のデビュー作として眠っていました。

1994年に刊行された新潮社フォトミュゼ版『さっちん』は、ネガが紛失した受賞作以外に残っていたアウトテイクからセレクトされた写真集ですが、今回、河出書房新社から刊行された『さっちん』は、「太陽賞」の受賞作品で構成されたオリジナル版です。ネガがない代わりに、印刷技術の粋を尽くして、当時の雑誌から復元されました。ようやくオリジナル版が、50年以上経って写真集になったのです。

昭和の東京にはこんな子どもたちがいた

『さっちん』は、1962年前後に撮影されたといわれています。爺ちゃん婆ちゃん.comの読者のなかには、当時、さっちんと同じ小学生だった人もいるでしょう。この写真集の1枚1枚から、さっちんの豊かな表情から、あの当時の東京の空気感がダイレクトに伝わってくるようです。懐かしいと思う人、新鮮だと思う人、人それぞれに訴えかけてくるものがあるのではないでしょうか。

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『オリジナル版 さっちん』より/写真:荒木経惟

最後に、太陽賞受賞時に雑誌に掲載された文章を引用します。

すばらしくバイタリティーな“さっちん”。
2年前の夏の日です。 たまたま見つけた三河島のアパートにはいっていきますと,まっ黒に日に焼けた子どもたちが,汗だくであばれまわっていました。すてきに元気な子どもたち。 そのなかで,パチンコをむけてきた少年がいました。おどろいてよけた私のあわてた格好を見て,大声で笑いころげる彼。 パチンコにはタマがはいっていなかったのです。ぼくはこの少年がいっぺんに好きになってしまいました。星野幸夫(さちお)君,小学4年生です。弟(マー坊)おもい,そして女の子が大好きな“さっちん”。とんだり,はねたり,けんかしたり,おこったり,存分に生きている“さっちん”。1年にわたるドキュメントの一部がこのアルバムです。

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)


【書籍紹介】
『オリジナル版 さっちん』
ISBN 978-4-309-27814-8
著者:荒木経惟/体裁:A4変形32ページ/発行:河出書房新社/定価:1,600円+税
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309278148/

【書籍プレゼント】
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