いま注目のあの人

第7回:七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー・ダボハゼのペペさん②

いま輝いている素敵な人からお話を聴いてみたい。ただ、その想いでインタビューをするのが、このコーナー。今回は、高齢者や障がいのある方の施設に赴き、「楽笑出前ライブ」と称して、歌、パントマイム、マジックなど、変幻自在なパフォーマンスで「笑い」をプレゼントするダボハゼのペペさんです。およそ5年間、100件を超える施設を回り、いまも積極的にボランティア活動を続けています。ペペさんが活動する原動力とは何なのでしょうか。

第6回:七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー ダボハゼのペペさん①

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撮影:弓削ヒズミ

笑いを届けて、幸せなひとときをプレゼント

■肩書きの中に、元「笑い療法士」とありますが、どういったものなのでしょうか。

笑うことで自己治癒力を高め、病気の予防につなげていこうという、一般社団法人 癒しの環境研究会が認定する「笑い療法士」のことです。ここでの「笑い」は、「お笑い」じゃなく、「微笑み」です。心に寄り添い、信頼関係を築くことで生まれる、自然な微笑みのことです。この精神をいまでも大事にしています。

もちろん、あたしはパフォーマーですから、会場を沸かせたいし、笑いをとりにいくこともあります。それで笑いがなかったらガチョンなんですけど(笑) でもパフォーマンスで心通わせ、気持ちに寄り添うこともできるんじゃないかなと思っています。

医学的にも、笑うことで免疫細胞のひとつである「NK(ナチュラルキラー)細胞」が活性化するという調べもありますし、「笑い」を通じて、皆さんの健康寿命を伸ばす手助けをしていきたいですね。

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ペペさんの衣装は、購入するだけではなく、自身でラフデザインを起こし、裁縫の得意な知人に生地を渡して仕立ててもらうこともある/写真提供:ダボハゼのペペ

■プロフィールのうえでは年齢不詳となっていますが、ダボハゼのペペさんの中の人というか、正体というか、ご本人も「団塊の世代」とのことで、これからシニアとしての道を歩むところですね。

はっはは、とりあえず年齢は内緒です。オファーが来なくなります(笑)

■ご自身が「シニア」になっていくことで気をつけていることは、何かありますか。

あたしの名前の「ダボハゼ」っていうのは、小っちゃくて、色が真っ黒で、頭がでっかいハゼの仲間なんです。いつも名前の由来を聞かれると、素顔容姿がタボハゼに似ているからと答えてます。でも、本当は違うんですが、皆さん、妙に納得してしまいます(笑)

ダボハゼっていうのは何でも食いついちゃうわけです。興味のあるもの、好奇心のあるもの、全部食いついていきます。あたしもダボハゼのように、興味のあることに対しては行動するようにしているんです。新しくチャレンジすれば、また違った世界が広がってきます。

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クラウン名「ペペ」の由来は、『望郷』(原題:Pepele Moko 1937年・フランス映画)で、主演のジャン・ギャバンが演じた「ペペ・ル・モコ」から名付けられた/撮影:弓削ヒズミ

■これから「シニア」になる人たちにも好奇心が大切なのですね。

そうです。定年退職後の男性は、好奇心だけでは、なかなか動かないですね。それなりの地位を得ていたから、プライドが許さないのか、恥をかきたくないのかわかりませんが、自分の殻を破れない人が多いです。

だから、シニア男性ばかりのお客さんが相手だと、笑わせるのも大変なんですよ。男の沽券にかかわると思っていますから。ある会社のOB会に呼ばれ、70〜80歳代の男性ばかりを前に40分やりましたけど、あれほど緊張したことはなかったですね(苦笑) 客席がイースター島のモアイ像みたいに見えました(笑)

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お客さんからの反応がいいと、さらにパフォーマンスにも力が入ると言うペペさん/撮影:弓削ヒズミ

60歳を過ぎたら、女性もそうですが、特に男性はプライドを捨てて、心を裸にすることだと思います。裸になるという意味では、クラウン(ピエロ)と同じです。「私は愚かな者です」と、馬鹿に徹してみる。そうすると、今までの人生と違う世界が見えてきます。何事もイチから教わることもできるでしょう。

あたしも、最初からヴォーカル・パフォーマーを目指していたわけではなく、最初はベートーヴェンの第九合唱に参加し、そこから、だんだん、好奇心のままに習っていったら、いまのようなスタイルになりました。これが、出来るか、出来ないかは、現役時代のしがらみ、プライドを捨てられるかではないでしょうか。それも定年になってからでは遅く、現役時代に始めることです。

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最後は、会場の皆さんで「ふるさと」「青い山脈」を合唱して大団円/撮影:弓削ヒズミ

■これからの展望、もしくは夢はありますか。

夢はキャンピングカーで全国を旅することです。映画「男はつらいよ」の寅さんに憧れますね。将来は、小さな音響設備や衣装を積んで、地方の老人ホームをまわってみたいです。将来といっても、すぐに免許返納とかいわれる歳になっちゃうんで、いまからでも準備しないといけないんですが(笑)

荷物を載せて、寝るスペースぐらい確保できる小型のエコカーもあるみたいですから、そういった車で、全国を行脚して、お年寄りに笑いを通じ、幸せをお届けしたいです。

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パントマイムやダンスを続けていくには体力が必要ということで、ペペさんは、週2回ほどフィットネスジムに通い、筋力トレーニングを行っているという。笑顔の裏には、努力が積み重ねられている/撮影:弓削ヒズミ

興味のあることには、とことん食らいついて挑戦していく姿は、まさにダボハゼのごとし。プライドを捨てて道化に徹するペペさんからは、チャレンジに年齢は関係ないということを教えていただきました。これからも、人を笑わせ、人の気持ちを元気にするパフォーマンスを続けてほしいと思います。

文・写真=弓削ヒズミ(編集部) 2017年2月取材


■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
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