いま注目のあの人

第1回 : Twitterで人気のおばあちゃん
ミゾイキクコさん①

いま輝いている素敵な人からお話を聴いてみたい。ただ、その想いでインタビューをするのが、このコーナー。今回は、Twitter(ツイッター)で約7万5000人のフォロワーをもつ、82歳のミゾイキクコさんにお会いしてきました。戦中・戦後の話、高齢者問題、日々の暮らしまで、その含蓄あるツイート(発言)が若い人たちの共感を呼び、Twitterで人気のおばあちゃんです。

ミゾイキクコさん

撮影:弓削ヒズミ

定年してから、はじめるなんて遅い。
若いときから好きなことをやらなければ。

インターネットをはじめられたきっかけは?
私がインターネットを始めた1999年ごろは、インターネットプロバイダーのサーバに、個人ホームページを作るのが流行っていて、みんな自慢の写真や文章を載せていました。それをみていたら、自分でもできそうだと、参考書籍を読みながら独学で覚えて、友達が海外旅行で撮ってきた写真をまとめたホームページをつくったりして、仲間内で楽しんでいました。そこからインターネットで発信することの楽しさを覚え、2010年からTwitterをはじめました。

ミゾイキクコさん

Twitterをはじめたきっかけは、友人のグループ展を告知するためからだという/撮影:弓削ヒズミ

Twitterをはじめたころはどうでしたか。
はじめてみるとTwitterはフォロワーがいないと、あまり意味がないことに気づきました。最初は何をつぶやいていいのかわからなかったのですが、戦争経験者なのだから、そのころの話をしようと書きはじめたら、すごい反応がありました。とくに若い人たちから。空襲、物不足、食糧難、国民学校での勤労奉仕など、当時生まれていなかった人たちにとって、驚きだったみたいです。

現在(2016年7月末)、およそ6年間で18万ツイートというヘビーユーザーで、真夜中や早朝などにも、つぶやかれていますが、どんな1日を過ごされているのでしょう。
みなさんに言われますが、私にとっては夜更けじゃないんです。早く寝て目が覚めるのが、その時間帯なんです。眠くなったら、また寝て、朝起きたら、また書き出すので、「いつになったら寝るんですか?」と心配されるみたいです。私はきちんと寝てますよ(笑)

ミゾイキクコさん

ミゾイさんがお使いのタブレットなど通信端末の一部/撮影:弓削ヒズミ

タブレットなど情報端末をたくさんお持ちだと聞いたのですが。
iPadなど11台持ってます。何か新しい機能がついた製品が出ると買ってしまいます。本当は古い機種はいらないんですけど、そのまま増えちゃった感じです(笑)

日々のツイートで気をつけていることはありますか。
人を攻撃しない、政治的な発言はしないように心がけています。私にとってTwitterは、お茶飲み話の延長線。日々の暮らしや、文字での会話を楽しみたいです。もちろん社会やニュースへの関心もあります。でも、そのときは記事引用だけにして、私見はいれません。

Twitterでは議論みたいなことで時間をとりたくないですよ。

定年を迎え、これから、シニア世代の生活をはじめられる方にアドバイスはありますか。
シニアになってから何か趣味を持とうじゃダメですね。趣味なんて若いうちからやってなきゃ。人に言われたから何かをやるもんじゃないでしょ。忙しかろうが、若い時から時間を見つけて何か好きなことをやるくらいじゃないと。

何か新しいことにチャレンジするなら、周りに何かやっている人がいるといいですね。私もいくつかお稽古をやっていますが、好奇心のあるお友達のグループには、自然とそういう人が集まるもの。

ミゾイキクコさん

これまでやってきた趣味は、太極拳、盆栽クラブ、和裁、お料理など、現在は、茶道だけに/撮影:弓削ヒズミ

TwitterなどSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を活用したほうがいいのでしょうか。
私の場合は、世界中に繋がってるTwitterはおもしろいですが、Twitterをいくらやっていても、人間同士でおしゃべりもしないとダメだと思います。うちの息子は、毎日、ひとり暮らしの私のところに寄ってくれて、少しでも会話をするようにしてくれます。おそらく会話のキャッチボールが脳を活性化する気がしますね。女の人はおしゃべりが好きだからいくつになっても元気なのよ。男の人がボケやすいというのは、定年後、ずっと、ひとりで家の中にいるからじゃないかしら。

私なんかは、ときどき料理を作って、みんな遊びに来ない? なんてお友達を呼ぶのが好き。きのうも「女子会」と称してパーティーをやってたんですよ。しゃべって、食べることが大好き(笑)

第1回 : Twitterで人気のおばあちゃん ミゾイキクコさん②に続く

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2016年7月取材


■ Profile ■
ミゾイキクコ
1934(昭和9)年生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。2010年1月28日にTwitter(@kikutomatu)をはじめ、戦争中、敗戦後の生活、高齢者問題など、自ら語る体験談が若い人にも共感をあたえ、2016年9月現在、7万5000人以上のフォロワーをかかえる。2015年に、これまでのツイートを抜粋して加筆修正を加えた、著書「何がいいかなんて終わってみないとわかりません」をKADOKAWA/角川マガジンズより出版。

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