社会の知識を学ぶ

孫とお出かけ 未来館へ科学を発見しに行こう!

夏休みは、子どもたちにとって一番長いお休みで、親にとっては勉強大丈夫かしら…と、いくらか心配にもなるところ。お孫さんと、楽しくて、そして学びにつながるお出かけ先として「日本科学未来館」を選んでみては?

シンボル展示「ジオ・コスモス」/撮影:Sawa  イラスト: 無料素材 イラストAC

知的好奇心を刺激する「科学館」

学校が休みになると、お孫さんは「どこか連れてって!」と毎日うずうずしているのではないでしょうか? とはいえ、熱中症警報が出る日々、外に連れ出すのもどうか…。また、台風も多い時期なので、なかなか予定が立てにくいかもしれません。

屋内の涼しい場所、そして夏休みにスローダウンしがちになる勉強の代わりに、子どもの知的好奇心を刺激しくれる場所。さらに、雨風を避けられ、手頃な価格(常設展のみ観覧の場合。料金は後述)で1日過ごせる。それらをすべて叶えてくれるお出かけ先の1つが、「日本科学未来館」です。

未来館は、東京のお台場エリアにある、JSTという法人が運営している国立の科学館です。

東京まで行くのはちょっと難しいという方は、全国各地にある県立(または市立)科学館や各種科学館を訪れてみてはいかがでしょうか。

各館でユニークな展示がなされていて、たくさんの知的な発見ができることと思います。また、定期的に特別展・企画展を実施している科学館であれば、一度行ったことがあっても展示が変わるごとに楽しめますので、調べてみましょう。

「日本科学未来館」って、どんな場所?

日本科学未来館(以下、未来館)を象徴するものといえば、なんといってもシンボルとなっている「ジオ・コスモス」です。

ジオ・コスモスというのは、常設展示されている有機ELパネルを用いた世界初の地球ディスプレイのこと。球形をしていて、宇宙から見た地球の姿が映し出されています。その映像は自転するようにゆるやかに回り、表面には大気が流れていて、まるで本物の地球がミニチュアサイズになって空中に浮かんでいるみたい。

未来館の館長は、あの有名な宇宙飛行士・毛利衛さん。ジオ・コスモスの展示は毛利さんの発案で、そこには「地球を外から見る経験をみんなで共有したい」という思いがあったそう。

地球を外から見ることは、グローバルな視点をもつことにつながるのではないでしょうか。宇宙飛行のあと、「宇宙から見た地球に国境線はなかった」と、毛利さんは言いました。

未来館では、そんな地球規模の視点をもって、いまの科学技術や未来を考えることができるたくさんの展示やイベントが行われています。

日本未来科学館は東京・お台場にある/撮影:Sawa

二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」

ホンダが開発した、人と同じ二本足で歩くロボット「ASIMO(アシモ)」は、1996年、センセーショナルに登場しました。当時のことを記憶している方も多いでしょう。

その後、イヌ型のAIBOや、コミュニケーションが得意なpepperなど、様々なロボットが開発されてきましたが、ASIMOが登場した時のインパクトは、いまだ比べるものがないように思います。

未来館では1日4回、ASIMOの実演ショーを見ることができます。ネタバレになってしまいますが…ショーの中で、ASIMOは歩くだけではなく、後ろ歩きし、片足立ちし、踊り(歌にのせて手話をする)、そしてボールを蹴る、という芸当までやってのけます。

二本足で歩くアシモは実に人間のようなたたずまいをしていて、ボールを蹴ろうとしている時など、思わず「がんばれー!」と声をかけたくなってしまいますよ。

未来館には、ASIMOのほかに、人間そっくりの容姿をもつアンドロイドがいます。洋服を着た女性のアンドロイドは、画面に映った人の表情や口の動きを真似ることができるので、アンドロイドの姿でお孫さんに話しかけてみては?

本田技研の二足歩行ロボット「ASIMO」/撮影:Sawa

未来館に行くと決めたら…!

また、未来館にはプラネタリウムのようなドーム型のスクリーンで立体視映像が見られるドームシアターがあり、上映時間が決まっています。

「未来館に行こう!」と思ったら、まず企画展・特別展は何をやっているか、ドームシアターの上映プログラムは何か、そしてASIMOのショーは何時かをチェックすることをおすすめします。

本物の人間そっくりのアンドロイド/撮影:Sawa

■未来館のインフォメーション■

開館時間:10:00~17:00(入館券販売は閉館30分前まで)
休館日:火曜日(祝日の場合は開館) ※夏休み期間等は火曜日も開館する場合あり
入館料(常設展のみ):大人620円(2019年10月より630円)、18歳以下210円   ※6歳以下の未就学児は無料 ※土曜日は18歳以下無料

なお、2019年8月現在(~11月4日)は、企画展「マンモス展-その『生命』は蘇るのか-」を開催しています。マンモスをはじめとした様々な生き物の標本を通して、マンモスの生態や当時の自然環境、古生物を取り巻く先端の生命科学研究などを紹介する展示です。入場料は、大人1800円、小学生~18歳1400円、4歳~小学生未満900円 、3歳以下は無料となっています。

小学生は理系・文系の分かれ道?

日本では、高校になると文系・理系に分かれて学んだりするようになりますね。だけど、文系・理系って、それほどきっぱり分けられるものなのでしょうか? アメリカなどの大学に進んだ人からは、「文系・理系の区別はなかった」という話も聞きます。

日本では特に、小学生の頃にはサイエンスに対する興味を失い始める女の子が多いそうです。科学は現実に身の回りで起こっている事象を理解するのに欠かせない学問。早いうちから興味を失ってしまうのは、もったいない気がしませんか。サイエンスに触れて楽しむ機会を、特に小さいうちにはたくさん用意してあげたいですね。

文系と理系、どっちかを選ばないといけないの?/写真:無料写真素材 写真AC

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ジオ・コスモスで見られるコンテンツの1つ、東日本大震災で起きた津波のシミュレーション映像は、まさに“地球はつながっている”と実感させられます。未来館を通して、お孫さんとの話題の幅も広がりそうです。

文=Sawa

【筆者紹介】
フリーライター。医療・福祉分野での執筆・編集経験10年以上。一般誌やビッグイシューなど社会問題系の仕事も。ライフワークは子どもに関すること全般。英国でAMI国際モンテッソーリ教師資格を取得。保育士。ピースボート2回乗船を含めヨーロッパ・アフリカなど50か国訪問。ホテル・民泊・シェアハウスに居住。

 

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