暮らしを彩る

人生100年時代を迎える
シニア世代のコミュニケーション

フェイスブックが『#100年ずっ友プロジェクト 〜人生100年時代のSNSいきいき活動〜』というイベントを開催。シニア世代のインターネットを使ったコミュニケーションについて、パネルディスカッションなどが行われました。

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フェイスブック ジャパン 幅広い世代のFacebook活用を促進『#100年ずっ友プロジェクト 〜人生100年時代のSNSいきいき活動〜』活動開始記念イベント/撮影:弓削ヒズミ

#100年ずっ友プロジェクト

「人間五十年」。これは織田信長が、好んで演じたと伝えられている『敦盛』の一節です。当時の平均寿命は50歳ぐらいだと言われていましたが、2017年に厚生労働省が発表した調査によると、2016年の日本人平均寿命は、女性87.14歳、男性80.98歳。しかも100歳以上の高齢者が全国に6万7824人だそうです。もう、人生100年時代は、すでに始まっているのかもしれません。

人生100年時代に向けて、大手SNS(※1)「フェイスブック」では、「#100年ずっ友プロジェクト 〜人生100年時代のSNSいきいき活動〜」をスタートしました。シニア世代が、身近にいる友人・知人はもちろん、遠隔地にいる家族や友人、そして趣味や興味関心が同じ仲間と繋がることで、毎日をより楽しくイキイキと刺激的に暮らしてほしいというシニア世代のコミュニティを応援するプロジェクトです。

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イベントの開場時間を過ぎると、多くのシニア世代の人が来場。イベントに対する期待が感じられた/撮影:弓削ヒズミ

※1 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
インターネット上のネットワークサービスの1つで、主に、人同士の繋がりを促進するコミュニティ型のサービスを指す。

このプロジェクトでは、フェイスブックを安全・安心に、より楽しく活用できるような環境づくりを、国内18のNPO団体と共に支援していくそうです。今回、そのプロジェクト開始記念イベントが、2017年12月14日、都内にて開催されました。

人生100年時代をイキイキと楽しむ

会場には、100席近く用意されていた席もすぐに埋まってしまうほど、多くのシニア世代が訪れました。その多くはフェイスブックなどのSNSやインターネットを通じて情報を知ったといいます。

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今回のプロジェクトの趣旨を語る、フェイスブック ジャパン 代表取締役 長谷川晋さん/撮影:弓削ヒズミ

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総務省 情報流通行政局 情報通信政策課長 今川拓郎さんから来賓の挨拶があった/撮影:弓削ヒズミ

イベントは、プロジェクトの説明や関係者などによる挨拶の後、「人生100年時代のライフスタイル:SNSがもたらすインパクト」と題した有識者によるパネルディスカッションが行われました。その一部を紹介します。

《登壇者》
田中智也さん(内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付 参事官補佐(高齢社会対策担当))
檜山敦さん(東京大学先端科学技術研究センター 身体情報学分野 講師)
若宮正子さん(特定非営利活動法人ブロードバンドスクール協会 理事)

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パネルディスカッションの登壇者。左から、若宮正子さん、檜山敦さん、田中智也さん/撮影:弓削ヒズミ

《モデレーター》
山口琢也さん(フェイスブック ジャパン 執行役員 公共政策部長)

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パネルディスカッションの司会進行役を務めるのは、フェイスブック ジャパン 執行役員 公共政策部長 山口琢也さん/撮影:弓削ヒズミ

パネルディスカッションでは、①超高齢化社会についてどう思っているか、②SNSとコミュニティのあり方、③SNSと生きがいが繋がる部分について、この3つのテーマを中心に、高齢化社会のライフスタイルと、SNSなどのインターネットサービスが果たす役割について話が展開していきました。

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それぞれの立場からシニア世代とICT(情報通信技術)について、さまざまな提言が出された/撮影:弓削ヒズミ

超高齢化社会は、シニアの力が生かされる時代?!

参事官補佐の田中さんは、高齢化社会と技術革新の好循環を期待していると言います。「経験豊富で、人的関係や組織づくりに長けた高齢者の能力を、ICT(情報通信技術)(※2)や先端技術を使い、社会に活用できる場を作り出していきたい」とコメント。世界的に見ても、読み書き能力や計算能力など、潜在的能力の高い、日本の高齢者は、いま注目されているようです。

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イメージ/「いまの高齢者は、すごいポテンシャルを持ってらっしゃる。ただ、一方、年齢的に乗り越えられない壁もあるので、そこはICTを使って乗り越えていこう」と田中さん/撮影:弓削ヒズミ

※2 ICT(アイ・シー・ティー)
Information and Communication Technology(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)」の略。日本では「情報通信技術」と訳す。情報処理や通信に関連する技術、産業、設備、サービスなどの総称。以前は「IT」とも呼ばれていたが、ITはコンピューター技術そのものを指すために、ICTと使い分けられるようになった。

元気なシニアが、少ない若い人たちを支えるという逆三角形の人口ピラミッドが現実的にも出来そうな気がすると言う檜山さん。「シニアと呼ばれたくない、自分たちは、まだまだ、お年寄りではなく、社会の中でまだまだ輝けるんだという意識を持った方が増えています。いまの若い人たちよりもエネルギーが詰まっていて、逆に、シニアの方が社会を支える原動力になるかもしれない」。

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「単純な交流だけではなく、社会の原動力としてのシニアの活躍の場が、SNSによって結び付けられていくような時代がこれから来る」と語る檜山さん/撮影:弓削ヒズミ

お互いが、お互いの気持ちを知ることができる、SNSのコミュニティ

檜山さんが、いま取り組まれている研究では、地域のなかで求められている困りごとを解決してくれる人材を発掘して、元気なシニアが、その地域の担い手として活躍していける仕組みづくりに取り組み、シニアと仕事を結びつけるツールとして、日常使っているSNSの利用をすすめています。それは仕事だけでなく災害時も役立つことを見越してもいます。

「例えば、災害が起きたときに、どの場所でどんなボランティアが必要か、地域のニーズとボランティアのマッチングだったり、どの場所で、どの救援物資が不足しているか、ニーズのマッチングも、そのまま同じツールが活用できる可能性を持っています。災害が起きてから新しい情報システムを現場に持ち込んでも、混乱している現場では新しいものを覚える余裕がない。日常のツール、SNSに災害時を見越した機能を含めていくというのも重要かなと思います」。

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「年齢でお年寄りを定義するのはやめて、使っているコミュニケーションの古さで、お年寄りか、若者かに分けてみてもいいのでは。そうすると、この会場にいらっしゃる皆さんは、若者ばかりということになってしまうんですけど(笑)」と檜山さん/撮影:弓削ヒズミ

日常的にフェイスブックを通じて情報発信をされている若宮さんは、「ある日、両親の介護ついて、親への悩みを書き込む人がいまして、今度は介護される立場の人からの書き込みがありました。介護している人、介護されている人が、同じ土俵で話をできるというのは、SNSしかないと思うんです。お互いが、お互いの気持ちを知ることができるということで、それぞれの考えが深まります」とコメント。考え方や世代を超えたコミュニティの良さを語ります。

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「フェイスブックでは外国の方、若い方から、思いもかけないコメントが返ってきたりするのが驚きで、これからはSNSを通じて、世代間の交流を深めていかないといけないと思いました」と若宮さん/撮影:弓削ヒズミ

進歩していく技術に、どう向き合うか

これからはICT(情報通信技術)の応用力が求められると言う田中さん。「ICTの世界はソフトウエアの入れ替わりが激しく、使っていたら、翌月には新しくなっていて、使い方がわからないということもあります。使う人の応用力をいかに高めていくか、一方、開発者側も他世代で使いやすいように考える必要があるのかなと思います」。

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「いま高齢の方のICT(情報通信技術)の利用率が高まってきています。その次の段階が問題はICTの応用力ですね」と田中さん/撮影:弓削ヒズミ

若宮さんは、ICT(情報通信技術)が苦手な人へのアドバイスとして、このようなコメントをします。「時代も変わっています。昔、20年ほど前、公民館でパソコン講座でタッチタイピングできなくて途中で辞めた人がいました。しかし、いまどきタッチタイピングができなくても使えます。そのうち、エアコンだって、冷蔵庫だってAI(人工知能)のものしかありません、なんて言われる時代も来ます。なんでも避けていたら、これからシニアが一人で暮らしていけなくなってしまいますよ(笑)」。

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「80歳を過ぎてから、日常を自分の冒険だと思ってフェイスブックにどんどん書いて、いろんな人にみていただいてます」と若宮さん/撮影:弓削ヒズミ

会場にいるシニア世代の皆さんは、メモを取ったり、スマートフォンで録画や録音をしながら、熱心に話に耳を傾けていました。

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会場の参加者の多くは、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどを持参するシニアが多く、熱心にメモをとったり、SNSにリアルタイムで投稿したり、デジタル機器に慣れた人ばかり/撮影:弓削ヒズミ

人生100年時代。定年退職後からスタートする新たな人生は、35〜40年あります。再就職をするにしても、新しい趣味を始めるにしても、時代の技術と、楽しく、うまく付き合っていきたいものです。ただし「勉強しなければ」なんて気負わないこと。

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ディスカッションの後、全員に配られた「大人のためのフェイスブックガイドブック」を使いながら、フェイスブック講座が行われた。講師は株式会社エクサネット代表取締役の松延健児さん/撮影:弓削ヒズミ

まずは、ラインやフェイスブックなど、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を日常的に使うことから始めてみませんか。続けていけば、仲間が増えたり、見識が広がったり、情報を扱うスキル(能力)が身につくはずです。そんなことを学んだ素敵なイベントでした。

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イベント終了後に会場全員で記念撮影/撮影:弓削ヒズミ

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2017年12月14日取材


《協力》
フェイスブック ジャパン

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