活躍の場を探す

《コラム》ダボハゼ見聞記
第5回「新年を迎えて」

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、ちょっと硬派なお話「新年を迎えて」です。

pepe-collumn05-top

イメージ

光陰矢の如し

「光陰矢の如し」。人生も後半に入ると月日の経つのが早い。1年があっという間に過ぎていく。フランスの哲学者ジャネーの言葉に「その人のその時点におけるこれからの時間の長さは、その人がそれまで過ごした時間の逆数に比例する」と確かあったけど、要は歳をとると若い時に比べ時間が経つのが早く感じるということらしい。

最近は体力の衰えとともに、残された時間が有限であることを意識してきた。何をやるにしても終わりから逆算して考えるようになり、あれもこれもやっておかないと間に合わないな、などと多少焦りも感じている。若いうちは、時間は永遠に続き、その可能性は無限にあるものと錯覚していたものだ。

近頃は、日々の営みの中に、愛おしさを感じるようになった。昔は、道端に生えている草花など見向きもしなかった。庭の花木が芽吹いても見向きもしなかった。電車に乗って隣の席に座った赤子に見向きもしなかった。テレビや映画の何気ない親子の会話に心を震わすこともなかった。夕暮れに映える富士山の姿に心を震わすこともなかった。満天の星空や初日の出に心を震わすこともなかった。

pepe-collumn05-01

夕暮れに映える富士山のイメージ/写真:無料写真素材 写真AC

シニア世代には厳しい時代

新年早々、妙に感傷的になってしまったが、今年は、5月に新天皇が即位され、新しい元号も決まる。これからの10年、20年はどのような時代になるのだろう。

少子高齢化が益々進み、労働力人口の減少、生産力の減少、社会保障費の増大に伴い、税金や社会保険の負担が重荷となり、生活していくのも更に苦しい時代を迎えるだろう。また、貧富の格差がこれまで以上に進み、貧しい者は、負の連鎖から抜け出すことが難しくなる。どう見ても、明るい未来が見えて来ない。シニア世代は、厳しい時代を迎えることになる。

pepe-collumn05-02

みんな頑張れ!/写真:無料写真素材 写真AC

人生、心の持ち方次第

時代が変わっても、人の心の有り様は変わらない。先日テレビで見たが、世界的な美術家篠田桃紅氏(御歳105歳)は、過去を振り返らず、常に前を向き、どこの団体にも所属せず我が道を行かれる。自分が過去に描いた作品に未練はなく、それらを集塊した美術館の建設にも興味はないと言われる。歳を重ねるごとに、尊大となり、栄誉、名誉に拘泥する芸術家が多い中で、稀有な方だ。105歳となっても、創作意欲は衰えず、前しか見ていない。

我々凡愚は、宝くじが今年も外れ、あそこで買ったのがダメだった、もう10枚買っとけばよかったとか、クチコミで知ったお店に行って高い料理を食べたけど、不味くて失敗したことや宣伝に乗せられて高額な健康食品を毎日飲み続けても効果が一向にわからないことや高性能のスマホを窓口でキレイな姉ちゃんの訳のわからない説明になんとなくわかったフリして購入したものの、うまく使いこなせず、毎月の請求額を見てびっくりすることやらで、後悔しない日はない。

自分の人生を振り返るのは歳のせいかも知れないが、果たして我が人生に悔いなしと言えるのだろうか? ああすればよかったとか、こうしておけばよかったとか、オイラの人生は後悔だらけ。我が人生に悔いなしと言えるのは裕次郎ぐらいか? もっともその裕次郎も52歳の若さで逝ってしまった。

誰もが後悔しない人生はないだろうが、常に前向きにポジティブに生きていきたいとは思う。ただ、これは疲れる。若いうちはいいが、加齢とともに体力、知力、意欲が衰えて来ると、何事も億劫になる。兼好法師も申していたではないか。人生の楽しみは、できれば家の中でひねもす食っちゃ寝しているのが最高と…。ただ、そうすると、呆けが早いらしい。やれやれ…。

pepe-collumn05-03

慌てず、のんびりといきましょう!/写真:無料写真素材 写真AC

文=ダボハゼのぺぺ


■Profile■
ダボハゼのペペ
(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
公式Facebookページ

■ダボハゼ見聞記 バックナンバー
第1回「ボランティア活動」
第2回「リタイア後」
第3回「同窓会」
第4回「ほらほらあれあれ」
第5回「新年を迎えて」

関連記事=2017年2月27日掲載『七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー・ダボハゼのペペさん①
関連記事=2017年3月06日掲載『七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー・ダボハゼのペペさん②

下へ続く
上へ戻る