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会社のプロから地域のプロへ
「人生ココから見本市」

「会社のプロから地域のプロへ」をキャッチフレーズに、定年退職したシニア男性たちへ、地域活動への参加、地域の人との交流を促す「人生ココから見本市」が、東京都足立区東部地域で開催されたというので、いったい、どんなイベントなのか取材してきました。

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定年退職したシニア男性の地域デビューを後押し

会社勤めのビジネスマンたちは、通勤の行き来だけで、いま住んでいる地域と接点がほとんどない人が多いといいます。いざ、定年退職を迎えたら、地域に馴染みの場所もなければ、知り合いもいない、そんなシニア男性が地域で孤立しているケースがあるそうです。

「孤立ゼロプロジェクト」を立ち上げ、シニアの地域参加を推進している足立区では、さまざまなNPOや地域包括支援センターなどが協力し、定年退職したシニア男性の地域デビューを後押しする活動を積極的に行っています。その活動の一つが「人生ココから見本市」です。

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多くの来場者で賑わう会場。各ブースでは笑い声が聞こえてくる/撮影:弓削ヒズミ

グループ活動の楽しさや、シニアライフのヒントが満載

人生ココから見本市」が開催されたのは、綾瀬駅西口から徒歩3分ほどにある足立区勤労福祉会館 綾瀬プルミエ。2019年2月9日(土)、この日は都内でも積雪が見られるほどの悪天候でした。しかし、会場には開始時間前からたくさんのシニアが訪れ、人生ココから見本市実行委員会のフェイスブックページによれば、最終的には780名ちかくが会場に足を運んだそうです。

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2月9日(土)は関東一帯で雪が降り、都内でも積雪があったが、皆さんの熱気に雪も止んでしまったのか?/撮影:弓削ヒズミ

会場は2階と1階に分かれ、2階の第一会場では、区内で活動しているボランティア団体、趣味の同好会、勉強会などのブースが並び、活動内容を説明したり、作品を展示しています。なかには有機農法で栽培した野菜を販売している団体もありました。いくつかの団体にお話を聴きましたが、どの団体もおもしろそうな活動ばかり。会場奥のメインステージでは、この春に91歳になる井浦康之さんによる「90歳人生これから」をはじめ、数々の興味深い講演が行われました。

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児童向け工作教室の活動を行っている団塊綾瀬ネットワーク「だんだん」のブース。「自分たちが楽しくて、ついでに他の人も楽しんでくれれば」と笑いながら語ってくれました‏/撮影:弓削ヒズミ

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ノルディックウォーキングクラブLOCOのブースではスティックの説明をしながら談笑/撮影:弓削ヒズミ

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スマイル農園・食談会のブースでは、栗島小学校の学校農園で作った無農薬野菜を販売して人気を集めていた/撮影:弓削ヒズミ

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ユーモアを織り交ぜた井浦康之さんの講演に聴衆は釘づけ。「自分の人生に生きがいを持つこと。生きがいとは、楽しい、おもしろい、やりがいがある、人の役に立てること。志を持ってください」と熱弁をふるう/撮影:弓削ヒズミ

同じく2階の第二会場では、スポーツ体験が行われました。以前に私たちも取材させていただいたスポーツ吹き矢、パラリンピック正式種目のボッチャ自重運動を体験できるとあって、参加者は順番待ちするほどの人気ぶり。また地元メンバーによる銭太鼓の実演も行われ、会場を大きく湧かせます。1階は企業ブースと休憩スペースとなり、コーヒーセミナー体験などが行われていました。とにかく館内を歩き回るだけでも楽しめるイベントです。

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スポーツ吹き矢のコツは、腹式呼吸で遠くまで飛ばすこと/撮影:弓削ヒズミ

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足立区スポーツ推進委員会では、パラリンピック正式種目のボッチャを体験させてくれた。相手ボールの位置を考えながらパズルのように投球するのが楽しい/撮影:弓削ヒズミ

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特定非営利活動法人ASCCのメンバーによる銭太鼓の実演。お揃いの衣装が素敵/撮影:弓削ヒズミ

ここからの人生を、どれだけ楽しく生きていけるか

今回の主催である人生ココから見本市実行委員会は、足立ほがらかネットワーク、団塊綾瀬ネットワーク「だんだん」、ASCCを中核に、東部ブロックの4つの地域包括支援センター(さの、東和、中川、西綾瀬)が事務局となって立ち上げられた委員会。その委員長を務める添田善雄さんに、今回のイベントについてお話を聴きました。

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人生ココから見本市実行委員会の委員長・添田善雄さん(足立ほがらかネットワーク会長)/撮影:弓削ヒズミ

「会社から卒業した人たちが、自分一人で居場所を見つけることができればいいのですが、背中を押してくれる人がいなかったり、チャンスがなかったり苦労するようです。いままで見過ごしていた地域に目を向けてもらうと、地域にはたくさんの資源や仲間があることに気づいていただけるはずです。今回、『会社のプロから地域のプロへ』という素敵なキャッチフレーズをつけてもらいましたが、ここからの人生を、どれだけ楽しく生きていけるか、自分なりの楽しみを見つけていただきたいですね」

今回のイベントは、足立区東部地域に向けたものでしたが、今後は他の地域、区全域、さらに広く展開していければという夢があるそうです。

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人生ココから見本市の様子/撮影:弓削ヒズミ

地域の大切さをわかっていながらも、なかなか接点が見つからずに諦めている人が、特に熱血仕事人間だった男性には多いようです。そんな人は「人生ココから見本市」の会場に来てみると、ちょっと心強い気持ちになれるのではないでしょうか。イベント名通りに、地域(ココ)で活動しているいろんなシニアたちが集まる「見本市」のようでした。まずは地元の情報を探すことから始めて、あなたも地域デビューしてみませんか。地域にはきっと居場所も仲間もいるはずです。

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2019年2月9日取材


人生ココから見本市実行委員会2018

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