いま注目のあの人

第3回 : 個性的なファッションの直木賞作家
志茂田景樹さん①

いま輝いている素敵な人からお話を聴いてみたい。ただ、その想いでインタビューをするのが、このコーナー。今回は、カラフルなファッションでおなじみ、個性的な直木賞作家・志茂田景樹さんにお会いしてきました。現在、作家活動のほか、子どもたちへ読み聞かせ活動、講演会などで全国をめぐり、精力的に活動のフィールドを広げています。いくつになっても変わらないバイタリティの秘密とは。

志茂田景樹さん

撮影:弓削ヒズミ

すべての活動は「書く」ことから派生

現在、新16歳(還暦時点で新0歳に)となって、作家活動以外にも、さまざまな活動を行ってらっしゃいますね。
いまは講演会、読み聞かせ、大人向けの小説、エッセイ、絵本、児童書、たまにテレビにも出演します。昔に比べると多岐に渡った活動を行っていますね。文筆活動の量が減ってきてはいますが、活動全体の時間は10数年間変わらずです。

志茂田景樹さん

1999年に「よい子に読み聞かせ隊」を結成。読み聞かせ隊長として、ボランティアメンバーとともに全国で活動を行っている/撮影:弓削ヒズミ

講演会、読み聞かせをはじめ、話すお仕事が増えているようですが、「書くこと」と「話すこと」の違いみたいなものはありますか?
僕の中では、「書く」も「話す」も、まったく同じものです。話しているときは、目の前に顔が見えてるじゃないですか、そういう意味じゃ、その人の顔を見ながら話すので、アドリブのように無意識のうちに話すことが変わってくることがあります。

文章を書いているときは、漠然とですが、読んでくれる方をイメージしながら書いていますんでね、頭の中で構築したものを原則的に書いています。何かひらめきがあれば、それに変わっていく感じです。

講演活動や読み聞かせ活動では、多数の人を相手にしますので、その場の雰囲気によって、こちらも自在に変化できるということでは、話す方が、ある意味で楽です。呻吟という言葉ありますけど、話すことに呻吟するという感じはないですね。

志茂田景樹さん

いま執筆はパソコンのキーボードで行っており、ペンで書くのは年賀状のコメントぐらいだと言う/撮影:弓削ヒズミ

「話す」の延長なのかしれませんが、最近ではラップにも挑戦されてますね。
年に8回程度やってるんですけど、はっきり言うと遊びです。おととし、ライブハウスで読み聞かせをやってくれないかと相談を受け、ライブハウスで読み聞かせというのは雰囲気が違うと思ったので、だったら自分流のラップを歌いますよ、という流れでやってみたら、会場の受けがよくて、そのまま続けている感じです。

ラップをやっているステージを観ましたが、私の周囲にいる音楽仲間からも、衝撃的だったという感想でした。
そうですか、僕にはメロディーもリズムもありませんので、メロディーやリズムで歌ってる人にとっては衝撃だったんじゃないですか(笑) メロディーやリズムに関係ない歌があってもいいかな、そんなジャンルが生み出されてもいいかな、ということなんですけども。でも、僕の後に付いてくる人はまずいないでしょうね(笑)

志茂田景樹さん

2015年6月28日、四谷OUTBREAK!「自家発電 Vol.05」に、志茂田景樹&HiBiKi MaMeShiBaとして出演。強烈なビートの上を、自由奔放に言葉を乗せる/撮影:弓削ヒズミ

ラップにしても、読み聞かせにしても、すべて「書く」ことから派生したことをやってます。基本というよりも、好きなことの原点が「書く」ことにあると思っていただければ。それは、いくつになっても変わりません。

最近では、Twitter上での人生相談が注目されているようですが。
あれは、ある意味では「書く」と「話す」の中間的な感覚でやっています。書く感覚が半分、話しかける感覚が半分で、たかだか140文字以内ですから、ポイントをつかまえて、まとめなければいけないわけです。リプライ(特定の相手へ向けて書き込むこと)に返信するときは、匿名で年齢も得体もわからない相手ですが、話しかけている感覚ですね。ふつうの書き込みをしているときも、講演会ほどではないですが、そのへんに、なんとなく見える人たちへ向けて、書いてはいるけど、どちらかといえば話しかけてる感じです。

第4回 : 個性的なファッションの直木賞作家 志茂田景樹さん②に続く

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2016年11月取材


■ Profile ■
志茂田景樹(しもだ・かげき)
1940(昭和15)年3月25日生まれ。中央大学法学部卒業。1976年に小説現代新人賞を受賞し小説家としてプロデビュー、1980年に『黄色い牙』で直木賞を受賞、その後も数々の作品を執筆。1990年代になり、バラエティ番組やドラマ番組に出演し、その派手なファッションが話題に。1999年から「よい子に読み聞かせ隊」を結成し、いまも全国をまわり活動を続けている。現在、Twitterでの人生相談が話題となっている。
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