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自分史をプレゼント?
制作を代行してくれる「自分史 de いまてらす」
自分史というと、自分で書いた原稿を印刷所に持ちこむものだと思われますが、いまは編集のプロ集団が制作代行をしてくれます。そうしたサービスのひとつ「自分史 de いまてらす」を取材してきました。自分史はどうやって作られるのでしょうか?
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作りたくてもハードルの高さにあきらめる人も
現役を引退し、これまでの会社人生を、または子育て人生を「自分史」としてまとめてみたい人はいませんか。でも、文章を書くのが苦手だったり、本の作り方がわからなかったり、自分史作りをあきらめてしまう人は多いのではないでしょうか。
いまは原稿作成まで制作代行をやってくれる自費出版サービスもあるので、そうしたサービスを利用するのも選択肢の一つです。ただ、各社ごとに独自の料金体系のため、編集や印刷の知識がないと、どこがいいのか比較するにも迷ってしまうところ。そんななか、定型の仕様を提示して、一律で定額表示をしている「自分史 de いまてらす」に注目しました。
「自分史 de いまてらす」で作られた自分史の一例/写真提供:スポットライト合同会社
「自分史 de いまてらす」のサービスは以下のとおり。
冊数:5冊
仕様:A4中綴じ、全20ページ、フルカラー
利用者宅へ訪問取材(※1)と写真撮影、原稿作成から印刷製本、配送まで含めて68,000円(税別)(※2)という内容。編集の仕事を行っている記者からみてもと、とてもリーズナブルな価格だと思います。
(※1)取材対象エリアは、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県(離島は除く)
(※2)料金は2017年3月時点のもの
親の知られざる素顔がみえてくる
「自分史 de いまてらす」を企画・制作しているスポットライト合同会社の中山さんにお話を聴いてみました。
●「自分史 de いまてらす」は、なぜ、一律料金なのですか。
「自分史を作ろうとした場合、ページ数は? 写真点数は? 本の大きさは? など、いろいろ決めることが多く、仕様が変わるごとに料金も調べなくてはなりません。さらに自分で原稿を書くことさえわずらわしいと思われる人もいます」
「そこで、本の仕様や冊数を定めて、こちらで原稿を書くのも含め、料金を一律にしました。料金はできるだけリーズナブルに。わかりやすくすることで、自分史に興味のある人の取っ掛かりになればと思います」
●どのような人が、利用されているのでしょう。
「やはり定年退職後のシニア世代が多いのですが、自分で申し込むのではなく、そのお子さんたちが、親へのプレゼントとして申し込まれることが多いです。ご予算的にも使いやすいようです。なかには法人で、社員たちが会長や社長に贈るケースもあります」
取材風景イメージ/写真提供:スポットライト合同会社
●原稿を書かれる前に、ご本人に取材をするそうですが、どういった感じで取材は行われるのでしょうか。
「取材は、ご自宅に記者とカメラマンがお伺いし、準備いただいたプロフィールシートと写真を見ながらお話を聴きます。1時間半?2時間程度のインタビューには、プレゼントされるお子さんたちが同席することが多いです」
「インタビューでは、お子さんたちの知らなかった親の一面が語られることがあり、『昔は、そんなことをしていたなんて知らなかった』と驚かれます。親子間では話されることはないけど、第3者の記者だからこそ引き出せる話があります」
「じつは、私も親の『自分史』を作るときに同じような体験をし、家族間のコミュニケーションが深まりました。取材前に掲載する写真を選んでいただくのですが、その写真のセレクトも親子一緒に話しながら決められることが多いです。出来上がる本はもちろんですが、作る過程も楽しんでいただけたらいいですね」
誌面イメージ/写真提供:スポットライト合同会社
「自分史 de いまてらす」では、取材から約2カ月で本が届けられるそうです。また、今年2月には、「エンディングノート編」が登場。こちらも取材してもらって、作ることができるそうです。
自分史をどう使っていくかはアイデア次第
今回、シニア需要を中心に「自分史 de いまてらす」を取材したのですが、それ以外にも、「マタニティ・子育てママ編」「親の婚活編」もあるそうです。人生の節目に自分で記録を残すのもいいですし、子どもから親へ、親から子や孫へ、自分史を贈るというのもいいかもしれません。
写真も日記もデジタルの記録が主流になっている時代だからこそ、紙として、冊子として、手に残るカタチにしてみるのは貴重なことかもしれません。もっと、いろいろな自分史の使い方があると思うので、皆さんも何かアイデアを考えてみませんか。
文=弓削ヒズミ(編集部)2017年3月取材
《取材協力》
自分史 de いまてらす