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熟年層に贈るハートフルな愛の物語『恋におちて』【字幕・手話付演劇】

いくつになっても恋はしたいもの。2月18日・19日に三越劇場で公演される、熟年層の恋をテーマにした演劇『恋におちて』をご紹介!脚本を担当した さらだたまこ さんにも作品の魅力について伺いました。

様々な障がいのある方とその障がいをサポートする仲間、そしてプロの歌手・俳優が共に手を取り“手話”を共通語としたお芝居やダンスの公演を行う劇団 NPO法人劇団はーとふるはんど。そのはーとふるはんどが演じる作品『恋におちて』は、平穏な毎日を送っていた熟年女性千佳子に突如訪れた恋の物語。認知症の男性に惚れられてデートをするが、思いがけない試練が待ち受けている。千佳子の気持ちは、恋の行方は、どうなるのか?気になる恋の結末は劇場でご覧ください。
聴覚障がい者も楽しめる、字幕・手話付です。

あらすじ

愛はいつだって奇跡を起こす!
海辺の家で一人替らしを過歌している熱年女性の千佳子は、コーラスのボランティアに訪れる丘の上の介護施設で、認知症の入居者の男性に一目惚れされる。不本意ながら申し込まれたデートに応じる千佳子の煮え切らない態度に娘たちは心配するが、千佳子には思いがけない恋の試練が待ち受けていた。熟年層が遭遇した叶わぬ恋と実らぬ恋の行方を見守るのは、おのおのに濃い人生経験を持つ入居者仲間や彼らを支える人々。
さて、見果てぬ夢の先に、見つかった真実の愛とは?いくつになってもときめきたい熟年層に贈るハートフルな愛の物語。

シングルの方も結婚している方もトキメいて!

脚本を担当した、さらだたまこ さんに『恋におちて』の作品の魅力や作品についての想いなどについてお話を伺いました。

-今回この作品を作ったきっかけを教えてください。

主演の小林綾子さんの相手役、水澤心吾さんとは2018年から水澤さん主演の朗読劇を作ってきました。原作を脚色した作品と全くのオリジナル作品がありますが、『恋におちて』はオリジナル第3弾の作品です。今回、三越劇場で上演することになったのは、プロデューサーの山辺ユリコさんがこの朗読劇を観て気に入ってくださったのがきっかけです。

-日本では、結婚をしたり年齢を重ねると、「恋」をしなくなる人が多い気がします。

今どきは、熟年の入口に立つ50代、あるいは高齢者の仲間入りをする60代半ばを越しても、見た目も気持ちも若々しい人はたくさんいます。昔は熟年のカップルは“茶飲み友だち”とか“ゲートボール仲間”のようにいわれましたが、人生100年時代ですから、年齢に関係なく、恋を楽しめば良いと思いますし、人を恋する気持ちは失わないでほしいと思います。

たとえば、長く連れ添ったパートナーに先立たれたり、シングルに戻る人も少なくありません。「これで終わった」と思わず、まだまだ長い余生を共に生きる良き相手と巡り会う努力を怠らないでほしいとおもいます。結婚という形にこだわらなくても、自由な恋愛が楽しめるのも、実は熟年になってからだと思っています。

一方、結婚している方々は、夫婦再生に向き合ってみたらいいと思います。出会った頃のトキメキに立ち返って、もう一度恋愛してほしいと思います。実は『恋におちて』も熟年夫婦の再生の物語です。

-この作品を作る上で工夫したことや苦労したことなどがありましたら教えてください。

最初は朗読劇で書いた台本を、舞台で上演する普通のお芝居に書き換えるのが、意外に難しかったのです。

朗読劇は、小説をそのまま声に出して読む、あるいはラジオドラマのように音声だけの芝居なので、オーディエンスの想像力の中で、醸成されていくのですが、普通の舞台は、役者さんのお芝居を観客がダイレクトに受け取るので、構成もシンプルに、なるべく時系列もまっすぐ進むように見せた方がいいのです。出演者も多くなり、新たに書き足したシーンも結構あります。

私は、小説は作家の作品であり、映画は監督の作品であり、芝居は舞台に立った役者の作品だと思っています。朗読劇は小説に近いのですが、芝居の台本は個性煌めく役者さんたちが、舞台上で良い化学反応を起こせる設計図、あるいはレシピなので、そこを練り直す必要がありました。初稿から決定稿まで、今回何度か書き直しました。初演のオリジナル作品は概ね少なくとも5、6回、多いときは10回以上稿を重ねます。テレビドラマの初回放送の台本も結構何度も書き直すので、特段珍しいことではないのですが・・・。

-ずばりこの作品の見どころは?

プロデューサーの山辺ユリコさんが主宰する「劇団はーとふるはんど」のみなさんが、出演されます。

様々な障がいのある方とその障がいをサポートする仲間、そしてプロの歌手・俳優が共に手を取り“手話”を共通語としたお芝居やダンスの公演を行う劇団で、障がい者への誤解や偏見を無くしたい、障がいのある子供たちが笑顔で暮らせる社会を作りたい、子どもたちへ手話を普及させたい、盲導犬などの補助犬が活躍できる社会を作りたい、そんな思いを込めた作品作りが、他のお芝居とは違う特徴になっています。
はーとふるはんどのみなさんは、歌ったり踊ったり、生き生きと舞台上でも大活躍をみせてくれるでしょう。

-最後に、爺ちゃん婆ちゃん.com読者へのメッセージをお願いします。

私も、高齢になった母が亡くなる前の十数年間は闘病による障がい者となり、車椅子で生活していました。母は自分の病状を受け入れて明るく前向きに生きていましたが、それは、周囲のいろいろな社会福祉の資源のおかげだと思っています。

特にエンターテインメントのチカラは世の中を明るくし、変革のたくさんのきっかけになると期待しています。

是非、劇場にお運びいただいて、感動を一緒に味わっていただければと思います。

■作品情報

日時:2月18日(土)・19日(日) 午前の部 11:00~/午後の部 15:30~
場所:日本橋三越本店本館6階 三越劇場, (〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1丁目4−1)
申込み: インターネット)NPO法人劇団はーとふるはんど
    https://www.npo-heartfullhand.com/general-1
    電話・三越劇場チケットカウンター)三越劇場 TEL:0120-03-9354 受付時間 10:00~18:00
問い合わせ: NPO法人劇団はーとふるはんど
   E-mail:info@npo-heartfullhand.com  
   TEL:03-5453-1960  FAX:03-5453-1966
監修:石井ふく子
脚本:さらだたまこ
演出:宗田梁一・涼石みわ
出演:小林綾子 水澤心吾 山本みどり 一谷伸江 清水よし子(ピンクの電話)
   渡辺陽子 二見颯一(クラウンレコード) 山辺ユリコ 他
制作:NPO法人制団は一とふるはんど

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