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《シニア・シネマ・リポートVol.16》『パヴァロッティ 太陽のテノール』

いま、シニア世代をテーマにした映画が増えています。そこで、実際にシニア世代の人と一緒に鑑賞し、その作品の感想を語ってもらおうという企画です。同世代にしか語れない、シニア視点のちょっと変わった映画紹介コーナー《シニア・シネマ・レポート》。今回は2020年9月4日 (金)公開予定の映画『パヴァロッティ 太陽のテノール』を当サイトでもお馴染みのダボハゼのぺぺさんに鑑賞した感想を伺いました。

(C)2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

世界一有名なオペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティ
初公開映像と23 人の証言で迫る〈人生を愛する天才〉至福のドキュメンタリー!

映画『パヴァロッティ 太陽のテノール』シーンより(C)2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

アルバム売上総数1 億枚、観客動員数1 千万人超えという驚異の記録を残し、2007 年に亡くなってからも、世界中から愛され続けているオペラの天才テノール歌手にして、エンターテイメント界のスーパースター、ルチアーノ・パヴァロッティ。なぜ彼の歌声と演技は、国境も時代も超えて、それほどまで多くの人々の耳と瞳と心を虜にしたのか? その答えに迫るドキュメンタリー映画が完成した。

パヴァロッティ財団の全面協力を得て、『ラ・ボエーム』『トスカ』など彼の最も得意とする役柄における絶頂期のパフォーマンスや、『トゥーランドット』の「誰も寝てはならぬ」をはじめとする名曲を、ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴと結成した〈三大テノール〉で競演した伝説のステージなど、クラシック音楽史上かつてない偉業が、全編にわたってたっぷりと紹介される。

映画『パヴァロッティ  太陽のテノール 』シーンより(C)2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

作品では、故ダイアナ妃やU2のボノなど生前パヴァロッティの豪華な交友関係も多数披露されており、またオペラに留まらず幅広い世界で活動したことにも驚かされる。
生涯に渡って人を魅了し続け、出会う人皆から愛されたパヴァロッティ。 奇跡の歌唱力よりもさらに高い人間力に注目していただきたい。

アカデミー賞監督がその謎を解き明かし、 一流スタッフが最先端の技術で蘇らせた、音楽の神に祝福された奇跡の〈歌声〉

映画『パヴァロッティ  太陽のテノール 』シーンより(C)2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

監督は、『アポロ13』、アカデミー賞監督賞に輝いた『ビューティフル・マインド』、『フロスト×ニクソン』、『ラッシュ/プライドと友情』で実在の人物たちを描いた、巨匠ロン・ハワード。音楽ドキュメンタリー映画も、アメリカでトップの人気を誇るラッパーでプロデューサーのジェイ・Zを追いかけた『メイド・イン・アメリカ』、ザ・ビートルズのライブ活動に焦点を当てた『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years』に続く、これが3本目となり、新たなライフワークとなる勢いだ。ハワード監督の信条は、〈0 からの探求〉。知らない分野だからこそ湧き上がる強い好奇心で対象を多方面から追求し、同じく0 からの観客たちにも古くからのファンにも〈未知なる領域に分け入る歓び〉をシェアしてくれる。


『愛と哀しみの果て』『ラスト・オブ・モヒカン』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で3度アカデミー賞に輝いた録音技師、クリストファー・ジェンキンズが、パヴァロッティの〈ハイC〉と呼ばれる高音を軽々かつ優美に空へと放つ並外れた音域と、力強く芳醇な声量による〈人類史上最高の歌声〉を、伝説のアビー・ロード・スタジオでドルビーアトモスの最新技術を駆使してオーケストラと再録音し、魔法のように蘇らせた。


ダボハゼのぺぺから観た映画『パヴァロッティ』

今回当サイトでお馴染みのダボハゼのぺぺさんに一緒に映画を観てもらい、感想を伺いました。

以前、ペペさんはクラシック好きと伺ったことがありますが、一音楽ファンとして今回の映画はいかがでしたか?

パヴァロッティを好きになったね。これまでは、どちらかというと、三大テノールのうち、プラシド・ドミンゴのほうが好きだったんだけど、今回この映画を観て、パヴァロッティは陽気でユーモアがあって、サービス精神旺盛で、反面わがままで神経質、甘えん坊のところがあって、人間として欠点はあるんだけど、とても魅力的な男だなぁって思った。

そうですね。あの人間味溢れる部分と子供っぽい部分が、多くの女性を惹きつけるんでしょうね。

実際にパヴァロッティを生で観た事はありますか?

1996年に3大テノールとして初来日したとき、国立競技場で観たんだけど、その時はコンサートというよりは、エンターテイメント性が強かったし、屋外というのもあって、本来のオペラというのではなかったので、生で観たという感じではなかったんだけど、ただ、パヴァロッティの素晴らしい歌声は堪能できたね。

印象に残ったシーンはありますか?

特に印象に残ったのは、三番目の妻ニコレッタが病気になって、彼女がもう一緒にいられない、と言ったとき、彼が「今までは君を愛していた。これからは君を崇拝する。」という回想シーンとともに、アリア「人知れぬ涙」(ドニゼッティ作曲、歌劇「愛の妙薬」より)を歌う映像が非常に心に染みて、感涙ものだったね。

あと最後に彼が歌うシーンで、歌い終わった後の彼の表情が本当に最高だったね。これがもう、この彼の表情が、すべてを物語っていると感じがしたね。

この映画をどういう方に観てもらいたいですか?

パヴァロッティファンはもちろん、オペラファン、音楽関係者、音楽を 愛する全ての人たちに観てもらいたいと思う。 中でも晩年のパヴァロッテイを評する世間の声に対するU2ボノの言葉に得心したね。

陽気でユーモアがあり、勝手気ままな面もある一方ボランティア活動にも専念し、色々な面を持つパヴァロッティですが、ペペさんから見て、彼はどういう人だったと思いますか?

彼は「自由人」だなぁって思う。 オペラの世界から、エンターテインメントの世界に入っていって、型にとらわれない生き方をしている。 それを象徴する場面が、ニコレッタがパヴァロッティに、娘のアリスに何か言葉を残してと頼んだとき、彼は何もないと言って、彼の意思を押し付けなかった。自分の言った言葉にアリスが拘束されるのが嫌だから。この言葉は、自分が「自由人」として人生を生きてきた彼だからこその言葉だと思ったね。

この映画は生前パヴァロッティに関わった元奥さんや愛人など同じ撮影場所に色々な女性が登場しますよね。

イタリアという厳格なキリスト教の国で、ましてやあの時代で、本来あり得ないことなんだろうけど、パヴァロッティの場合はもう、「愛さずにはいられない」彼の人柄だったんだろうねぇ。

羨ましい人生ですよね

そう、だからねぇ。もちろん才能はあったんでしょうけど、埋もれてしまうということもあるわけで、やっぱり人との出会いも大事だよね。オペラだけやってたらああはならなかったと思うし、人を惹きつけるものを持ってたんでしょうね。

最後に、「爺ちゃん婆ちゃん.com」読者へ、この映画のみどころを教えていただけますか?

パヴァロッティを知らない人も音楽ファンでない人も、誰もがこの映画を見ることによって、彼の素晴らしい歌声、そして人間味溢れる彼の人柄に魅了されると思いますね。 歌と愛を人生に捧げた彼の生涯を是非観ていただきたい。

ダボハゼのぺぺ 撮影:弓削

■Profile■
ダボハゼのペペ
(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
公式Facebookページ


映画『パヴァロッティ  太陽のテノール 』ポスター(C)2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved.

■映画情報
公式サイト: https://gaga.ne.jp/pavarotti/

監督:ロン・ハワード『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』
2019年/イギリス・アメリカ/ビスタ/5.1chデジタル/115分/字幕翻訳:古田由紀子 字幕監修:堀内修
配給:ギャガ 

2020年9月4日(金)TOHOシネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー


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