社会の知識を学ぶ
消費税10%前に知っておきたい
キャッシュレス決済
来年2019年10月に消費税が10%に引き上げられる予定です。その際、「キャッシュレス決済」で消費者に増税分が還元されるといわれています。シニア世代には、いまいちピンと来ないキャッシュレス決済について調べてみました。
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知っておきたいキャッシュレス決済の方法
すでにニュースなどでご存知だと思いますが、来年2019年10月に消費税10%引き上げが予定されています。政府は、それに伴い増税対策の一環として、期間を区切り「キャッシュレス決済」を使った消費者に増税分をポイントで還元しようという動きがあるようです。
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しかし、シニア世代のなかには「キャッシュレス決済」と聞いただけで、もう、お手上げだなんて人もいるようなので、キャッシュレス決済について解説してみたいと思います。
※この記事は2018年12月時点の情報を元に書かれています。
いまのところ、ポイント還元対象の見込みとなっているキャッシュレス決済方法は、大きく分けて3つ。ビットコインなどの仮想通貨は含まれないようです。
- クレジットカード
- 電子マネー
- コード決済
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クレジットカード
クレジットカードについては、さすがに説明不要でしょうが、利用代金を後から支払う決済方法です。利用代金をその場で銀行口座から支払うデビッドカードもクレッジトカードの一種ともいえます。現在、クレジットカードは、コンビニ、スーパー、レストラン、映画館など、利用範囲も広がっているので、一番馴染みのあるキャッシュレス決済方法ではないでしょうか。また、後述する電子マネー、コード決済もクレジットカードと紐づけすることで利便性が上がるので、キャッシュレス決済の要ともいえます。
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電子マネー
電子マネーは、交通系(Suica、PASMOなど)、ショッピング系(楽天Edy、nanaco、WAONなど)に分かれ、支払い方法は、事前に入金して使うプリペイド式、後払いのポストペイ式の2種類があります。それぞれ専用ICカードや携帯電話を利用して決済します。
代表的な電子マネーは以下の通り。
- JR東日本「Suica(スイカ)」
- イオン「WAON(ワオン)」
- セブン&アイホールディングス「nanaco(ナナコ)」
- 楽天「楽天Edy(エディ)」
- DOCOMO「iD(アイディー)」
- Apple「Apple Pay(アップルペイ)」など
種類が豊富で、それぞれに特徴やサービスがあるのが魅力です。ショッピング系電子マネーのなかには、シニア向けサービスが付いたものもあり、特定日には買い物の割引やショッピングポイントが倍増されるものもあります。
しかし、電子マネーごとに支払えるお店が限られているところが多く、ちょっと不便さを感じることもあります。お住まいの生活圏によって、電子マネーの選び方が変わってきそうです。
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コード決済
シニア世代にとって馴染みの薄いのがコード決済かもしれません。主にQRコードが使われているので「QRコード決済」とも呼ばれており、LINE pay、楽天ペイ、PayPayなどが有名です。
QRコード決済のやり方は2種類。
?店舗がお客さまにQRコードを読み取ってもらう方法
?お客さまのスマホアプリに表示されたQRコードを店舗が読み取る方法
事前にQRコード決済アプリに、クレジットカードや銀行口座を登録しておき、現金がなくても買い物ができるシステムです。
小さな店舗でも決済システムを導入しやすいのが特徴だといわれています。おとなりの中国では、コード決済が進んでおり、現金を持ち歩かない人が増えているそうです。外国人観光客の増加が期待される2020年に向けて、今後は日本でも急速に普及していくことが予想されます。
参考=『中国、消えゆく現金決済 「所持金100元以下」が4割に』(日本経済新聞2017年8月29日)
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日本のキャッシュレス決済率は20%前後
いつもニコニコ現金払いの時代を生きてきたシニア世代にとって、キャッシュレス決済は、まだ、取っつきにくいかもしれませんが、いずれの決済方法もポイントがついたり、サービスを受けられたり、現金払いよりもお得なことが増えています。日本のキャッシュレス決済率は20%前後と世界でも下位の状態です。政府はキャッシュレス決済率を他国並みの40%まで引き上げようとしており、今後はキャッシュレス化が進んでいくことが予想されています。
ただ、先日2018年12月6日に発生した大手携帯キャリアの通信障害の影響で、コード決済サービスが利用できなかったという事例もあり、そのことは念頭に置いておきましょう。自然災害の多い日本では、通信インフラの異常がいつあってもおかしくはありません。キャッシュレス決済を利用しながらも、緊急時の現金も持ち合わせるのがいいかもしれません。
参考=『ソフトバンクの通信障害、決済アプリ使えず混乱拡大』(日刊スポーツ2018年12月6日)
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文=弓削ヒズミ(編集部)