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介護ライターが教える!100均で買える、お役立ちの介護グッズ9選(食事編)
シニアにとって1日3度の食事は大きな楽しみですよね。しかし身体機能が衰えてくると噛んだり、飲み込む能力が衰えてきてスムーズな食事が難しくなるケースもあります。そんな時に介護施設ではどのようなものを使っているのでしょう。今回は食事をする時に役立つグッズの中でも、100円ショップで購入できる便利グッズをまとめてみました。
【第9位】食事メニューや体調をチェック
食事メニューや体調管理を行う時に便利なのが「3色ボールペン」です。介護の現場では上手に使っているスタッフが多いです。
例えば自宅で使用する場合は、黒色でノートに日付と食べた料理を書いておきます。そうすれば食生活のチェックができます。
朝、昼、晩の食事メニューにあわせて今度は青色で飲み物を書き込みます。お茶やコーヒー、水などをきちんと摂取しているかが確認できます。
体調が良くない日や気になることは赤色で記します。こうすることで日々の食事や排せつ、体調を管理することができます。
何か異変が起きた時にはノートを見返すことで原因を探ることができます。
●色分けして食事メニューや体調を管理できる。
●異変が起きたときはノートを見返して原因を探れる。
【第8位】買い物リストや伝言板に。
介護グッズではないのですが、あると便利なのが「ミニホワイトボード」です。
ホワイトボードに残り少ない食材をメモしておけば買い物に行くとき便利です。また本日のメニューなどを書くと、街のレストランのような感じで食事の期待が高まりますよね。
100円ショップでは、いろいろなタイプのホワイトボードを販売していますが、個人的には冷蔵庫などのスチール面に付けられるマグネット付きがおすすめです。
家族に伝言を残したり、コミュニケーションツールとして使用したり用途は広いので介護グッズではありませんが、一度試してみてはいかがでしょうか。
●当日のメニューや買い物リストをすぐにチェックできる。
●伝言板など、コミュニケーションツールとしても活用できる。
【第7位】こぼさず安心して飲める
「ストローコップ」は飲み物をこぼさずに飲める便利なグッズです。ストローはセットに含まれていないものもあるので、その場合は別途用意しましょう。市販のストローが使えるような仕様になっているのも便利なところ。
「ストローコップ」には持ち手があり、プラスティックで出来ているので軽いため、腕を上げるのが難しくなった高齢者にはおすすめです。また病気や筋力の低下などで、首を後ろにそらすのが困難な方にも使い勝手のよいアイテムです。
コップ部分は透明になっているものは、どのくらい残量があるのか確認することもできます。熱湯や熱い飲料を入れたときは、冷ましてから使うようにしましょう。
●腕を上げにくい・首を後ろにそらしずらい方も、こぼさず飲める。
●透明なコップは、残量が確認できる。
【第6位】口の中を守ってくれて、安全、安心。
高齢者の食事で気をつけたいのは、唇や口の中(口腔)を傷つけてしまう事です。そこで活用したいのがスプーンの先が柔らかい素材でできている「シリコンスプーン」です。
アルミ製のスプーンでも良いのですが、認知症の傾向が強くなると強く噛んだりして危険な可能性もあります。
スプーンの先が曲がってしまうほど柔らかい素材でできているシリコンを使用したスプーンは口の中を傷つける心配が殆どありません。ヨーグルトやプリンなど柔らかめのデザートを食べる時にも食べやすい便利なグッズです。
●唇や口の中を傷つけずに安心、安全に食べられる。
●柔らかめのデザートを食べやすい。
【第5位】寝たまま水分を飲むときに便利
病気やケガなどで寝たまま食事をしなければいけない時に役立つのが「吸い飲み」です。風邪で起き上がれない時など、水分や薬を飲むのにも便利です。
具合が悪くなって体調管理が必要な時は、容器が透明で飲んだ水分量が確認できるタイプがおすすめです。
100円ショップによっては色がついていたり、サイズも異なりますが比較的サイズが大きめのタイプの方が使いやすいです。用途に合わせて購入しましょう。
吸い飲みは、介護する側にとっても使いやすいグッズです。ただし免疫が弱っている高齢者が使うグッズなので、お手入れは入念に清潔にしておきましょう。
●寝たままの状態でもラクに水分などを飲むことができる。
●介護する側にも使い勝手がよい。
【第4位】ベッドでの歯磨きもラクラク
「うがい受け(ガーグルベース)」は、車椅子やベッド上で食事をした後に使うと便利なグッズです。前に屈むことが難しくなって、洗面台を利用できないときでも簡単に水を吐き出せます。
100円ショップによって色やサイズもバラバラですが、使いやすいサイズは個々によって違います。一度、100均で買った物を使ってみて、それを基準にして自分の使いやすいサイズを次回購入することをおすすめします。
食事では、食べた後の歯磨きは重要です。良い介護施設では高齢者の口腔ケアを時間をかけて丁寧に行います。
口をきれいにすることは、虫歯や口臭予防をはじめ、高齢者にとっては誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)をはじめとした感染症や口の機能低下を予防する目的があります。
●前に屈むことが難しい人も、楽にうがいすることができる。
●洗面台以外の場所でも使うことができる。
【第3位】汚れた時、さっと使える万能選手
「ウエットティッシュ」は食事前にテーブルの汚れを拭き取ったり、手拭きに使ったりと活用の幅が広いアイテムです。
100均で売られているものは種類も多く、持ち運びができるもの、大容量など豊富に揃っています。
その中でおすすめしたいのは、「アルコール除菌のウエットティッシュ」です。このタイプは除菌効果があるので、食器類などの汚れが気になった時にさっと使えるので便利です。
薬局などでも購入できますが、100円ショップの方がコスパはいいですね。
アルコールタイプのウエットティッシュは、口の汚れを拭き取るのにも利用できますが、口腔ケアの場合は専用のウエットティッシュを使うようにしましょう。
●食器類など汚れが気になったときに、さっと使用できる。
●コスパがいい。
【第2位】食べカスや歯垢をしっかり取る
歯ブラシでは、歯と歯の間の歯垢が取れないことがあります。そんなときに便利なのが「歯間ようじ」です。
100均には様々なタイプの歯間ようじが揃っており、品質も高いです。選ぶときに気を付けるのは、取り出しやすいケースであること。毎日使うものなのでワンタッチで取り出せるとラクです。
また奥歯は広いので食べ物が詰まってしまったり、歯垢が残りやすいことが多いです。「歯間ようじ」を使うと狭い歯間にもするっと入り、食べカスや歯垢を簡単に取ってくれます。
しかし隙間に入りやすいタイプや素材は個人差があるので、色々な歯間ようじを試してみることをおすすめします。
●食べカスや歯垢を簡単に取ってくれる。
●歯ブラシでは足りない部分をケアしてくれる。
【1位】集中でき、食事を楽しめる
食事の時に重宝するのが「すべり止めシート」です。高齢になると思うように腕が動かせない方もいます。そのため茶碗やグラスが動いてしまうこともありますが、シートを敷けば食器類が滑りにくくなり、安定して食べることができます。
100均ショップにはサイズやデザイン、厚さも異なるタイプが揃っています。食事は食べる環境も大事ですので食卓にマッチしたデザインを選んでから、ハサミでカットして使用するのもありです。
また滑り止めシートは食器類だけでなく、座位の安定にも役立ちます。
テーブルで食事をする時は、椅子や車イスに座布団やクッションを敷いている方も多いと思います。しかし高齢になると姿勢が不安定になり、だんだんと座布団やクッションがズレてくるケースは多いです。
そんな時に「すべり止めシート」には大判サイズのシートを購入してハサミでカット。座布団やクッションの下に敷くとズレにくくなるので、座り直しする回数も減り、食事に集中できます。
●食器が滑りにくくなり、安定して食べれる。
●座布団やクッション下に敷くと、姿勢が安定する。
*滑り止めシートは座布団やクッションの下に敷くようにしましょう。
介護用品の種類は多く、どれが便利なのか知らない方も少なくありません。
しかし100円ショップには使い勝手のよいグッズはたくさん揃っています。介護施設を取材すると、こうしたコスパのよいグッズを工夫して上手に使っています。
みなさんもぜひ「100均グッズ」をチェックして、介護に上手に活用してみてはいかがでしょうか。
文=大屋覚
商品購入:ダイソー
■ Profile ■
大屋覚
テレビや書籍、Webマガジンを中心に活動中。医療・福祉・介護分野を中心に取材や執筆を行う。認知症施設や重度訪問介護の現場にも携わっている。早稲田大学・同大学院修了。