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《コラム》ダボハゼ見聞記
第7回「前立腺がん顛末記」

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは「前立腺がん」。

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前立腺がん顛末記

エッエー!なんでオイラが!?それは、晴天の霹靂だった!昨年9月毎年受ける定期健康診断で、主治医から「前立腺がんの疑いがあるから精密検査を受けなさい。」と言われた。健康診断で血液検査をやったが、その検査項目の中「PSA値」(腫瘍マーカー)という項目があり、基準値が4レベルで、それを超えると前立腺がんの疑いがあるという。オイラは12!!こんな検査項目があるなんて知らなかった。

今や2人に1人はかかるといわれるがん!オイラの周りにもがん罹患者がいる。シニア世代になれば、驚くことではないかもしれない。が、自分にその火の粉が降りかかるとは・・・。早速前立腺がんの本を求め、八重洲ブックセンターに行き、5、6冊の専門書を購入した。以下の通り、その時のオイラの心境を語る本ばかり。
<潁川晋著「前立腺がんは怖くない」、近藤誠著「がん治療に殺された人放置して生きのびた人」、内海聡著「医者に頼らなくてもがんは消える」、赤倉功一朗著「前立腺がん」、船瀬俊介著「笑いの免疫学」>
それによると、前立腺がんは近々胃がんを抜いて男性がん罹患率が1位になるとのこと。高齢男性が亡くなって、解剖すると殆どはその死因とは別に前立腺がんにかかっているという。現代は、医学が発達し、血液検査でがんの可能性を推定できる。幸い、前立腺がんは、進行が遅く余命率は高い。ただ、リンパ節などに浸潤し、転移すれば大変だ。日頃から笑いの医学的効能を説いている日本笑い学会講師のオイラ、寝る前に毎日大笑いすることにした。

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イメージ/写真:無料写真素材 写真AC

 いろいろ本を読んで、安心したり、不安になったり、その思いは複雑だ。主治医から都心の大学病院を紹介するとのことだったが、自分で探すことにした。幸い名医のいる病院が見つかった。しかし、なんでこんなに外来は混んでいるのだろう。しかもシニアばかり!だいたい、シニアなんて言葉が良くない。シニア=死near(近い)なんて!?いや、冗談言ってる場合じゃない。受診すると、「ではMRIをやりましょう」と先生は言う。何日に来てくださいと言われた。生まれて初めてMRIなるものを受けたが、筒の中に入れられて、ガンガン音がうるさく、腰の辺りが熱くなってきた。時間的には20分ほどだが、閉所恐怖症の人は耐えられないだろう。その後、検査結果を聞きに行った。
先生曰く「前立腺がんの疑いが非常に強い」と。「では、生検をやりましょう」と有無言わせず、日にちも決められた。いろいろと看護師から説明を受け、リスクがあるので万が一に備え誓約書も書かせられた。

生検とは何ぞや?注射針を患部に刺して、その組織を取り、がんであるか調べる。しかも、脊髄くも膜下麻酔※1 をかけるという。そんなリスクのあることはいやだ!なんとか生検を受けないで済むことはできないか?とにかく、先生にもっと詳しく症状を聞きたいと思い、病院に行ったが、問診の中でオイラ、痔持ちの話をしたら、看護師から処置室に案内され、下半身をさらけ出し待っていると、先生がちょこっと診て、「痔は心配ない」と言われた。あっ!先生それじゃなく、もっと詳しい話を聞きたいんですと言おうとしたら、先生はもういない。看護師にその旨を伝えたら、MRIの診断結果を書いた紙を渡された。そこには、明らかに前立腺がんの診断が!しかも、前立腺外進展の疑いがあると書かれていた。ガーン(゚д゚lll)。

結局、生検を受けないリスクと受けるリスクを推し量った結果、受けることにした。今まで手術台に乗ったことはない。手術室で手術台に乗せられ、病院の白い天井を見ながら運ばれるシーンは、映画でも何回か見たことがあるが、まさか自分が主人公になるとは・・・・。下半身麻酔をかけるため、背中の後ろから脊髄に麻酔薬を注入する。もっと痛いと思っていたが、チクリとしただけだった。その後、しびれが来て、下半身の感覚が無くなる。恥ずかしい格好をさせられて、医師がこれから針を刺しますという。パチンという音ともに下腹部に軽い衝撃があるが、痛みはない。13発も打たれた。

Blurred background - Abstract blur beautiful luxury hospital and clinic interior for background. Vintage effect style pictures.

イメージ/写真:Freepik

 それから1ヶ月後、生検の結果が出た。先生曰く「前立腺がんではないですね。前立腺肥大です。薬を処方します」。言われた本人、一瞬、はあ!!と思ったが、ああ!良かった!胸をなで下ろした。オイオイ、今までの心配憂慮はなんだったのか?!主治医から言われてから半年近く、悶々とした日々が続いていて、それこそ病気になるところだった。杞憂に終わった。
考えてみると、オイラは、講師として「笑いと健康」について講演を行い、笑いが自己免疫力を高めることについて皆さんに話していた。それが、今回実証された?のかも。これは、今後講演のネタに使えるぞ!!

※1 脊髄くも膜下麻酔は、「脊椎麻酔」、「腰椎麻酔」とも呼ばれ、局所麻酔のひとつであり、クモ膜下腔に麻酔薬を注入し、脊髄の前根、後根をブロックする方法です。

文=ダボハゼのぺぺ


■Profile■
ダボハゼのペペ
(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
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ダボハゼのペペさん

■ダボハゼ見聞記 バックナンバー
第1回「ボランティア活動」
第2回「リタイア後」
第3回「同窓会」
第4回「ほらほらあれあれ」
第5回「新年を迎えて」
第6回「団塊の世代」

関連記事=2017年2月27日掲載『七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー・ダボハゼのペペさん?
関連記事=2017年3月06日掲載『七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー・ダボハゼのペペさん?

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