健康な体づくり

「機能性表示食品」「特定保健用食品」「栄養機能食品」をご存知ですか? 

乳酸菌、アミノ酸、コラーゲン、DHA、青汁、ルテイン…
テレビや通販カタログ、コンビニエンスストアでも、健康関連の製品が目につきます。昨年4月には「機能性表示食品」という新しい制度もはじまりました。そのあたりも含めて、最近の傾向を健康産業界の総合メディア『ヘルスライフビジネス』の編集長に聞きました。

「機能性表示食品」「特定保健用食品」「栄養機能食品」

昨年のトップ3は、乳酸菌、アミノ酸、難消化性デキストリン(「株式会社ヘルスビジネスマガジン社」調べ)

「ヘルスライフビジネス」のウェブサイトに掲載されている、第644号(2016年10月1日号)の第1面に載っているタイトル、「乳酸菌市場5000億円突破」が目に飛び込んできました。話はそこからはじまりました。

編集長の花里淳一さんの説明では、
「平成27(2015)年度“素材別末端市場”の調査結果は、前年につづいて、トップは乳酸菌やアミノ酸などの素材に集中している傾向があります。乳酸菌は機能性を重視したヨーグルトで浸透しました。アミノ酸は、スポーツ時の補給に加えて、肝機能や睡眠などといった個別のものが目立ちます。難消化性デキストリンは、植物由来の食物繊維です。においや味がほとんど無いので素材としても扱いやすく、清涼飲料水や茶飲料など、利用しやすい商品として販売されて注目されているようです」

食品関連産業の“健康度”

ヘルスライフビジネス

『ヘルスライフビジネス』は、タブロイド版24~28ページ

『ヘルスライフビジネス』は1993年創刊の新聞で、月2回発行しています。読者は、健康関連の食品メーカーや小売業、流通業、官公庁などで、関係ある行政の動向や海外の情報なども細かく解説しています。

発行している株式会社ヘルスビジネスマガジン社では、健康産業界の発展を目的として、毎年、東京国際フォーラムで「健食原料・OEM展」も主催しています。

「『ヘルスライフビジネス』の役割は、健康産業関連の企業、販売、流通、医療機関などの橋渡し役で、業界全体の活性化を促すことを目的にしています」(花里さん)

創刊当初は、法律の規制内容をよく知らない企業も多かったそうです。
「一部の、悪意ある企業の、こころない行為によって、扱っている素材まで悪いものであるかのような印象を与えてしまうこともありました。悪意がなくても法規制を知らないことによって同じ結果を招いたケースも多々あって、そういうこともわかりやすく伝えていくことを目的にしています」(花里さん)

複合的に取材をかけて、調査して、しっかりと裏付けのあるものを掲載するという方針を貫いたおかげで、信頼を得て、購読数を増やしています。

健康食品と保健機能食品の違い

健康食品と保健機能食品の違い

日本では、1970年ごろから健康食品がブームとなり急成長を遂げました。2000年ごろには伸び率も落ち着きましたが、いまも着実に拡大しているようです。

健康食品は、食品に分類されます。それは、医薬品のように効果効能を求めるものではなく、健康の保持や増進を助けるためのものであるという、しっかりとした線引きがされているのです。

食品のなかで一般食品と呼ばれているものには、生鮮食品のように調理に使う「食材」と、健康補助食品、栄養補助食品、栄養調整食品などの「健康食品」があります。

食品に分類されているものには、もう1つ、「保健機能食品」と呼ばれるものがあります。

保健機能食品には、「特定保健用食品」「栄養機能食品」そして、昨年4月に新たに制度化された「機能性表示食品」の3つがあります。

特定保健用食品とは
1991年9月に制度化された、通称「トクホ」です。個別の製品ごとに、安全性や有効性について、国が審査を行います。許可を受けるために、多額の費用や年数が必要になります。用途を明示して販売されています。

特定保健用食品のマーク

「特定保健用食品のマーク」4種 出典:消費者庁

栄養機能食品とは
2001年4月に制度化された栄養機能食品は、栄養成分(ビタミンやミネラルなど)を補給・補完するための食品です。国への許可申請が必要ですが、すでに国が定めている栄養成分の規格基準に適合していれば、届け出る必要なく販売できます。製品に栄養成分の機能を表記することができます。

機能性表示食品とは
2015年4月に制度化された機能性表示食品は、素材の安全性や機能性について、科学的根拠のある情報を、消費者庁長官に届け出たものです。機能性表示食品の対象は、生鮮食品、加工食品などを含むすべての食品(アルコールなどを除く)です。審査や許可は必要ありません。パッケージに、「機能性表示食品」と「届出番号」の表記があり、消費者庁のウェブサイトで調べることができます。

(株)ヘルスビジネスマガジン社 編集長 花里淳一さん

(株)ヘルスビジネスマガジン社 編集長 花里淳一さん

「食品のなかでは、特定保健用食品のみに限られていた『おなかの調子を整える』『脂肪の吸収をおだやかにする』『脂肪の吸収を抑える』『ピント調整力をサポート』などのことばも、機能性表示食品で使用できるようになりました。消費者に伝える情報が増えたのはよいことだと思います」(花里さん)

体脂肪・内臓脂肪への関心度“大”

『ヘルスライフビジネス』第641号(2016年8月15日発行)の2面、機能性表示食品の訴求点別の製品数ランキングを見ると、「体脂肪・内臓脂肪」が群を抜いてトップになっています。次に、「整腸・便通」、そして、「中性脂肪」「糖の吸収、血糖値」「目(見る力、ピント調節機能)」とつづきます。

「肌、関節、睡眠、ストレスなどの訴求も目立ちます。コンビニエンスストアやテレビの通販、インターネットなどでの購入も増えていて、シニア層はリピーターも多いようです」(花里さん)

機能性表示食品の、機能性の評価は?

機能性表示食品の機能性評価については、「最終製品を用いた臨床試験」か、「最終製品または機能性関与成分に関する文献調査」のいずれかで明らかにする必要があります。文献調査とは、ルールに合った研究論文を集め、システマティックレビュー(系統的評価)をすることです。

(株)ヘルスビジネスマガジン社 編集企画部 檜山正明さん

(株)ヘルスビジネスマガジン社 編集企画部 檜山正明さん

編集企画部の檜山正明さんの説明では、「機能性評価の科学的根拠となる文献は、たとえば、医学的な論文も査読付きでなくてはなりません。また、素材の機能性を認めていない文献があれば、それも提示しなくてはならないという、偏りがないことも求められています。そこから、系統的な評価(システマティックレビュー)といわれる」そうです。

機能性表示食品の情報は検索できる

機能性表示食品は、消費者庁のウェブサイト『機能性表示食品の届出情報検索』で、「商品名」「機能性関与成分名」「表示しようとする機能性」などの項目に入力して、だれでも検索することができます。

「1980年ごろに5000億円を突破した健康食品市場は、2002年ごろに1兆円を突破しました。2004年頃には、『コエンザイムQ10』の大ブームが巻き起こりました。機能性表示食品は、制度化して1年半あまりで、市場に500種類近く出ています。大ヒット商品が出ることにより、機能性表示食品についての情報も、消費者にさらに浸透していくと思います。そのためにも、正しい形で情報を伝えていくことが、より大切になると思っています」(花里さん)

文=水楢直見(編集部)2016年10月取材


株式会社ヘルスビジネスマガジン社

≪参考ウェブサイト≫
消費者庁
消費者庁の『消費者の皆様へ「機能性表示食品」って何?』[PDF:525KB] 
厚生労働省「健康食品」

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