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最近、車内の優先席で見かける「ヘルプマーク」って何だ?

シニアと呼ばれるような年代になると、電車やバスなどの公共交通機関に設置されている「優先席」が気になるのではないでしょうか。「まだ利用するには早い、年寄り扱いは無用」と無関心を装わないで、ぜひ、関心を持ってもらいたいマークがあります。それは「ヘルプマーク」です。

関連記事=2017年10月26日掲載『ヘルプマークが全国共通マークに』
※2017年10月5日追記

車内の優先席で見かける「ヘルプマーク」

ヘルプマークの告知ポスター/写真提供:東京都福祉保健局

見た目はふつうの若者なのに優先席に座っている

ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見では判断できないけれど、援助や配慮を必要としていることを知らせる東京都が作成したマークです。妊婦であることを知らせる「マタニティーマーク」のように、周囲への理解およびサポートをうながすことを目的としています。

見た目はふつうの若者なのに優先席に座っている―。なんて、そう思ったとき、ヘルプマークをつけているか確認してください。

体調が悪くて、席に座りたいのに、周囲の目が気になってしまい、無理して立ち続けている方も多くいます。そういう人たちが、無理をしないでいい環境をつくるのが、このヘルプマークなのです。

車内の優先席で見かける「ヘルプマーク」

優先席に座りたいけど、周りの目が気になる、そんなストレスがさらに症状悪化を招く原因にも/イラスト:弓削ヒズミ

ヘルプマークを身につけた人を見かけたら

ヘルプマークをつけている人のなかには、疲れやすい人、つり革などにつかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な人がいます。電車やバスのなかで見かけたら、席を譲るなど、配慮をお願いします。

また、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な人もいます。交通機関の事故や災害などに居合わせた時、歩く、立ち上がる、階段の昇降などが困難になることも。そのようなときは一声かけてください。

シニアだからこそ、優先席について知っておきたい

現在、都営地下鉄、都営バスなどで、ヘルプマークの配布や優先席へのステッカー標示が行われておりますが、マークの認知度は低い状況です。ただ、民間企業による広報活動もはじまりつつあり、また、今年度、京都府や和歌山県、徳島県、青森県、奈良県にも広まっており、今後は徐々に浸透していくことでしょう。この機会に、ぜひ、覚えておきたいものです。

シニアといっても優先席を利用するのは、まだ先のことかもしれませんが、世の中には、いろいろな人がいることを認識しながら、優先席を利用していきましょう。譲り、譲られ、お互いに助け合うことが大切だと思います。

詳しくは東京都福祉保健局のサイトをご参照ください。

関連記事=2017年10月26日掲載『ヘルプマークが全国共通マークに』
※2017年10月5日追記

文=弓削ヒズミ(編集部)2016年9月


東京都福祉保健局

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