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You Are My Sunshine
ウクレレサークル「すぎれれ会」

シニアの習い事について調べていると、「ウクレレな毎日♪」というブログに出会いました。そこに掲載されているレッスンの写真は、本当にウクレレを楽しんでいる笑顔ばかり。その笑顔の秘密を知りたくて、ブログの主であるNAO先生が教えてらっしゃるシニアサークル「すぎれれ会」のレッスンにお邪魔してきました。

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撮影:弓削ヒズミ

「ウクレレな毎日♪」のブログを書いているNAO先生は、高田馬場にあるご自身のスクール「NAOウクレレスクール」で、個人やグループのレッスンを行い、スクール以外にも講習会やサークルなどの出張講師も行っています。

今回、訪ねた「すぎれれ会」は、そのなかのひとつで、杉並区で活動をしているシニアのウクレレサークル。3月に発表会を控えており、本来なら、練習に専念されたいところを、心よく取材に応じていただきました。

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3月に「高円寺ゆうゆう館まつり」で演奏することになっている「すぎれれ会」の皆さまは、発表曲を中心に、熱のこもった練習を続ける/撮影:弓削ヒズミ

ウクレレすら触ったことのない初心者

先生と、すぎれれ会との出会いは10年前の2007年。杉並区民講座のひとつ「愉快なおやじ塾・ウクレレ講座」の講師をNAO先生が務めたのがきっかけでした。その時の受講者で、今後もウクレレを続けてみたいという人が集まったのが「すぎれれ会」とのこと。

発足のきっかけとなった「愉快なおやじ塾・ウクレレ講座」のことを、NAO先生に振り返ってもらいました。「講座に集まったのは、ウクレレすら触ったことのない初心者ばかりで、当然、ウクレレを持っている人は、4〜5人程度でした」。全2回の講座に集まったのは40人。大勢で、とても楽しいレッスンだったそうです。

同じく、サークルメンバーのおひとりも話してくれました。「ウクレレを持っている人がいなくて、レンタルで貸してくれるところを探していると、先生のおかげで見つけることができました。そのレンタル先の担当者は、NAO先生のブログを知っていて、40台のウクレレを無償で貸してくれたんです」。

スタートしたばかりのサークルも、今年2017年4月に発足10年。創設当初は、まったくの初心者だったメンバーも、いまとなっては、美しい音色をつま弾き、大きな声で歌い上げます。一昨年、新しく女性3人が加わり、現在11名が在籍。練習は月に1度のNAO先生を講師に迎えてのレッスンに加え、最近ではメンバーだけの自主練も月1ペースで行っているそうです。

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これまでのメンバーと、新たに加入したメンバーの技術的な差を考えながら、指導のバランスを調整しているというNAO先生/撮影:弓削ヒズミ

自然とメンバーで役割分担する

サークルの指導にあたり、心がけてらっしゃることをお聴きしました。

「あまりむずかしい話はしないようにしています。それはシニアだからではなく、このレッスンは義務教育でもないし、楽しみに来ているのだから、とにかく、みんなで弾いて、楽しく歌う。ゆっくりと教えることにしています。ただ、発表会とか近くなると、つい熱くなってしまうこともありますけど(笑)」

すぎれれ会では、会場設営をする人、会費を集める人など、メンバーそれぞれが、自分のできることを自発的に行い、自然と役割分担しながら運営を行っています。

NAO先生は、「いくつかサークルを教えていますが、こんなに、まとまっているサークルもないです」と言います。

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取材中、「私も取材しているところを取材していいかしら」、そう言ってNAO先生はスマートフォンを出して、お互いを撮影。その様子は、ウクレレな毎日♪「シニア情報WEBマガジンの取材を受けました♪」を参照/撮影:弓削ヒズミ

プライベートに関わらないのが長続きの秘訣

これだけチームワークのいいサークルであれば、さぞかし、メンバー同士は、プライベートでも繋がっているのかとお聴きしたところ、意外な答えが返ってきました。

「基本的には先生のレッスンの場だけで、個人的なプライベートな付き合いは一切しないことにしています。互いのプライベートに関わると苦しいから。だからこそ、10年続いているんじゃないかな」。

お互いに深入りすることなく、あくまでもサークルを楽しむ。この距離感が大事なのかもしれません。これまで、いくつかのサークルを取材したなかで、こうした意見は初めてです。すぎれれ会の皆さまは、すごくオトナな、いや、それ以上の「超オトナ」な集まりなんだと思いました。

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プライベートには関わらないが、練習後の飲み会は重要だとか。この取材後も高円寺の街に繰り出したという/撮影:弓削ヒズミ

ウクレレがつなぐ、メビウスの輪

最後にNAO先生が、すぎれれ会のロゴマークを紹介してくれました。ロゴマークをデザインされたのは、メンバーのひとり藤田さん。五線譜を無限の輪(メビウスの輪)にして、ハワイアン風のカラフルな文字が配置されています。

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すぎれれ会のロゴ/写真提供:NAOウクレレスクール

「メビウスの輪のように、サークルが永遠に続いて欲しいという思いが込められた素敵なロゴなんです」。

ウクレレでつながった、NAO先生、すぎれれ会の皆さまは、とても居心地のいい距離感を保っているように思いました。これからもサークルのテーマ曲「You Are My Sunshine」のように、光り輝きながら、ウクレレのある暮らしを存分に楽しんでいくのではないでしょうか。

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軽くて、小さくて、手軽なウクレレは、日常生活のなかでも、すぐに弾くことができる点がいいと語るNAO先生。親しみやすい楽器だからこそ、コミュニケーションの輪が広がるのかもしれない/撮影:弓削ヒズミ

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2017年1月取材


《取材協力》
ウクレレな毎日♪

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