活躍の場を探す
これまでの経験でお金を得よう!第1回 「資格はないけれど料理が得意」
一家の働き手が定年を迎えて、これからの家庭の生活費に不安がある方もいらっしゃるでしょう。国民生活基礎調査によれば、高齢者世帯の55.1%が家計について「大変苦しい」「苦しい」と回答しており、半数以上の方が生活の不安を抱えておられることが分かります。 そうなると、働きに出てお金を稼ぎたい!と思うのも自然のことでしょう。 働きに出てお金を稼ぎたい方、またできるならばこれまでの経験を活かしていきいきと働いていきたい方に対して、希望が叶う働き方を提案できたらと思います。
得意な料理の腕を活かして主婦が働きにでる場合
女性だと「料理」のスキルを持っている方が多いと思います。
例えば、下記のような女性だと、これからどんな働き方があるのでしょうか。
Aさん 女性 62歳 専業主婦
夫が定年を迎えて再雇用された。ただフルタイム勤務ではなくなり収入が少なくなった。家計を見直してみたけれども、やはり厳しいため、これから自分も働きに出てみたい。資格は特に持っていないけれど、できれば得意の料理の腕を活かしたい。
これまでずっと主婦業で働いてきたAさんにとって、外で働くことはこれまで直面しなかった問題に直面することにもなります。働くことで自身の心身の健康や生活が崩れてしまわないか家族ともよくよく相談してみることが大切です。その後、ハローワークや、シルバー人材センター、民間が運営している求人サイトへの登録を行うのがいいでしょう。
ハローワークでは在籍しているキャリアコンサルタントに、仕事の心配事などの相談をすることが可能です。
4つのケースをご紹介
「得意な料理の腕を活かす」という手段で、下記のような仕事を考えることが可能です。
1.調理や調理補助の仕事
イメージ /写真:無料写真素材 写真AC
飲食店や学校、介護施設などで調理、調理補助の求人が多く出ています。調理の仕事は調理師免許が求められることがありますが、調理補助の仕事は資格がいらない場合が多く、仕事を得やすい職種です。またどちらの仕事も2年働いて条件を満たせば調理師免許の受験資格も得られ、新しい仕事を得ることにもつながります。
2.家事代行サービスへの登録
イメージ /写真:無料写真素材 写真AC
よく聞かれる「家政婦」という職業は、お客様の家事を全て行う、という意味合いの強いものです。
しかし最近では、「料理をする」「掃除をする」など、働く人の強みに特化し、お客様のニーズに合わせて行う「家事代行サービス」が数多く出現し、共働きの家庭にとっては特に強い味方となっています。
近隣の家事代行サービスを調べるには、先ほど挙げたハローワーク等で聞いてみるのがいいでしょう。その他では、例えば「大田区 家事代行 料理」など地域名と一緒に検索をすると、地域で活動している家事代行サービスを見つけることができます。
現在さまざまな家事代行サービスがありますが、最近は下記のような家事代行サービスを提供している会社が有名です。
ベアーズ
北海道から福岡まで全国的に家事代行サービスを展開しています。80代のスタッフも在籍しているとのことで、年齢がハードルにならずに働ける職場のようです。
イエコック
東京23区で有名。自社研修や第三者教育期間による研修でしっかりした教育があり、初めての方も不安なく取り組める体制を作っているようです。
家事代行サービスもそれぞれ特色があり、見つけたところに問い合わせて不安や疑問を解消し、自分に合ったところを見つけてみるのがいいかもしれません。
3.料理教室を開きたい
イメージ /写真:無料写真素材 写真AC
得意な料理があり、よく人にレシピを聞かれることもあるという方は料理教室を開いてみると喜ばれるかもしれません。
料理教室を開くには、調理師免許や資格は必要ありませんのでご安心ください。
ただ、定期的に料理教室を開く予定のある方は、税務署に開業届を出しておく必要があります。
料理教室をどこで開くかという問題がありますが、下記の主な3つの方法があります。
・企業が運営している料理教室の講師になる
・クッキングスペースを借りて開催する
・自宅で開催する
営利目的ではない場合、自治体のルールによりますが、調理場がついた公民館を利用することも可能です。
料理教室の告知は、口コミの他に、TwitterなどのSNSを活用してみたり、全国の料理教室情報が掲載しているこくちーずプロに登録してみたりという方法があります。生徒から頂く料金の相場は、場所代や材料費などの経費によって異なりますが、1回5,000円以内に収めるのが良心的でしょう。
4.自分のお店を持つ
イメージ /写真:無料写真素材 写真AC
ややハードルはあがりますが、「自分の作った料理を多くの人に食べてもらいたい」という方は、思いきって自分の店を持つことを考えてみてはいかがでしょうか?
お店を開くのに調理師免許は必要ありませんが、料理を提供するのに、「食品衛生責任者」という資格を持っている必要があります。
「食品衛生責任者」の資格は毎月開催されている講習会に1日研修を受けることで、資格が発行されますので特別な技術がなくてもだれでも取得できます。受講料は各地域によって受講料が異なりますが、大体1万円以内に収まります。
お店を持つのには、当然開業資金も必要です。「どうしても自分のお店を出したいけれど、資金が足りない!」という方は返済不要の助成金も各種ありますので調べてみてはいかがでしょうか?どんな助成金の制度があるか分からない、申請の仕方が分からない、という方はハローワークや無料相談をしている社労士さんに相談されてもいいかもしれません。
また開業に際し、集客するために、競合店やどのような客が来店するかなど、かなり綿密に事前にリサーチをしておく必要があります。
興味はあるけれど、不安があるという方は、お住まいの地域の商工会議所や地域中小企業支援センターにお店を開くことについて現実的に可能かどうかを相談してみるのがいいかもしれません。
自分のお店を持つには大変なことも多いですが、 沢山のお客さんに自分の料理を食べてもらい、お客さんの笑顔を見れる喜びは何ものにも代えがたいでしょう。
楽しく働くためには、自分の得意を活かそう!
生活のためにお金を得る、というのはまず重要ですが、お金を得ることだけに重きを置くと仕事に行きたくなくなったり、楽しみがなくなったりしてしまいます。長く続けられて、かつ楽しく働くには、自分の得意を活かして働くのが一番の近道だと思います。どの仕事をしようか考えるときに、ぜひ一度自分の得意なことは何か考えてみてはいかがでしょうか?
文= 安藤記子
■Profile■
安藤 記子
福岡県出身。ライター・編集者。
公共職業安定所勤務を経て、2013年よりWebライティング、雑誌・書籍編集の仕事に携わる。 2019年よりフリーとして活動中