連載

《コラム》これでいいの!?NIPPONにスパイス
 Vol.3:「日本の交通常識 世界の非常式」

日本の日常の出来事を、海外と比較して筆者独自の視点で突っ込んだ、ピリ辛コラム『これでいいの?NIPPONにスパイス』。 今回は日常何気なく渡っている横断歩道について比較してみようと思う。

一時期ニュース等でもよく取り上げられていた時期があったが、信号機のない横断歩道というのがある。あるとき、私がよく利用する信号なし横断歩道が、あまりにも車が止まらないので、 どの程度止まらないのか暫く注意してみていたことがある。すると、一般の車は 30台に1台止まっていたかどうか、ほとんどの車は止まらない。次に、たま~に止まるのはタクシー。メーター稼ぎが目的なのかどうかは分からない。そして概ね毎回停まるのはバス。まぁ公共交通機関だし、急いでないしね。そしてそこの観測地点は警察署が近かったので、パトカーもよく通るんだけど、パトカーって、市民を取り締まっている立場として交通ルールの模範となるような行動をとっていると思っていた。まだクリスマスにサンタさんへのお手紙を入れていた純粋だった幼き頃までは。でも大人の世界はそんな綺麗ごとは通用しない。パトカーだって一般車両同様止まらない。パトカーの交通ルールの意識の低さについては言及すべき点が多いのだが、今回のテーマから外れてしまうのでやめておく。

とあるサイトで、歩行者側は渡りたいときは手を挙げた方がいいと書かれているところがあったが、道路脇で手なんか挙げたらタクシーが本来の目的で止まってしまうのではないか。昔信号待ちをしている時に友人が「ガム欲しい人~」と言ったので「ハ~イ」と返事すると同時に手をあげたらタクシーが止まってしまった経験のある筆者はそんな心配をしてしまう。

さて、海外の場合どうなんだろうか?国によって大きく違いそうだが、イギリスの場合、横断歩道手前に ベリシャ・ビーコン ( Belisha beacon)と呼ばれるポールが立っていて、ポールの先は黄色く光るようになっている。夜や霧の場合でもそこに横断歩道があるのが分かる。そして車は・・・
止まる。止まる止まる。ほぼ100%止まってくれる。歩行者だった筆者は自分しかいないのにわざわざ止まってくれるから申し訳なく、車が来てないタイミングで渡るようにしていた。これはこれで違うストレスがあるんだが、渡りたいときに渡れるのは助かる。

遠くからでも目立つ信号無し横断歩道/イラスト:やまもと やまと

歩行者が恐縮するくらい止まってくれたイギリスだが、イギリスといえば、歩行者は信号機を守らないことでも有名だ。横断歩道を渡る時は自己責任。彼等に言わせると、車1台来てない横断歩道でボーっと待っている日本人はアホのように見えるそうだ。一瞬納得してしまいそうだが、車に乗るとルールを守って歩行者になるとルールを守らない、というのも面白い。

自己責任ということでいうと、もっと上級なのが中国。横断歩道があまりない(あったとしても) 中国では日本ではあまり渡らないような6車線の大通りなど車がバンバン通ってる道路などでも平気で渡る。ただ中国の場合は人が渡るのが当たり前なので、車側も「人が渡るなぁ~」と気づいたら止まってくれる。ただ、車が止まってくれるといっても、一見普通のスピードで走っているので、止まるか止まらないか、行けるか行けないかの判断が素人目には大変難しい。初心者は現地の人と一緒に渡ることをおすすめする。

同じ要領で渡ろうとして、渡れなかったのがメキシコ。中国と同じ要領で渡ろうとしたのだが、と、と、と、とまらな~い!停まれるスピードで走ってない。狭い道でもビュンビュン飛ばす。 世界の交通事故死亡率ランキングでも上位にランクインしているメキシコに中国のような歩行者と車の暗黙のルールみたいのは通用しないらしい。 ここでは怖いので、少し歩いても、きちんと渡れるところから渡ることにした。

日本も自己責任で赤信号でも渡れる社会になって欲しいとまでは言わないが、せめて横断歩道あるところくらいは普通に渡れるようになって欲しい。

下へ続く
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