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シニア世代こそ、スマホを使いこなそう!

スマートフォンやタブレットなどの情報端末を持っているシニア世代の割合が年々増えているようです。しかし、便利な機能があることはわかっていても、限られた用途しか使ってない人が多いのではないでしょうか。そんな、これからのシニア世代は、もっとスマートフォンやタブレットを使いこなし、活用すべきかもしれません。

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イメージ/撮影:弓削ヒズミ

シニアにこそ必要なのはスマートフォンやSNS

これまで取材相手のシニアの方から「爺ちゃん婆ちゃん.com」は、どうすれば見られるの? なんて、質問を受けたことがあります。スマートフォンを持っていても、どのアプリを使えばいいのか、目的のサイトを見るにはどうすればいいのか、わからないのだそうです。たしかに新製品が出るごとに新機能がついたり、アプリにしても数がありすぎて、シニア世代でなくとも、よくわからないことが多いです。

しかし、「シニア世代こそ、スマートフォンやタブレットを使いこなせた方がいい」というのは、シニア向けにスマートフォンやパソコンなどの教室「パソコムプラザ」の代表を務める増田由紀さんです。増田さんは、60代〜80代の生徒さんに、スマートフォンやタブレット端末の基本から、写真の撮り方、LINE(ライン)の使い方、ネットの情報検索などを教えています。

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教室の皆さんの会話は、「あそこのお店は充電ができる」「あの店の方がWiFiが繋がりやすい」と、モバイル機器を駆使するビジネスマンのような内容だったで驚いた/撮影:弓削ヒズミ

「ここにいらっしゃる方は、かなり使い込んでらっしゃいますよ」と、パソコン講座に参加するシニアクラスの皆さんをご紹介してくれました。全員が、スマートフォンやタブレット端末を持っていました。教室の連絡事項などにもLINEやメールを使い、かなり、積極的な使い方をしています。

皆さん、自宅でもパソコンを持っているそうですが、家では、もっぱらスマートフォンしか使わないのだとか。80代の女性は、入院中にスマートフォンを使って、情報を得たり、連絡を取り合っていたら、看護師に驚かれたと言います。

「いまの入院中の話がありましたが、スマホは、シニアにとって役立つ道具です。たとえば、足や腰を患って、外出するのが困難になっても、ネットスーパーで買い物もできるし、スマホで先に薬局へ処方箋を送っておけば待ち時間なしで薬をもらうことだってできます」。便利だと思ったら、とにかく使うことだといいます。

身近な道具として、ライフラインとして

使い方次第で、さまざまな道具になるスマートフォンは、「どうやって使うか、何に使うか」と、考えることが楽しいといいます。増田さんの教室では、課外授業を兼ねた旅行を実施し、集合などの連絡事項はLINEでやりとり、目的地への道も地図アプリを使い検索、スマホの写真機能を使って時刻表などをメモするなど、実際に「生活に役立つ」学習が行われています。

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「パソコムプラザ」代表の増田由紀さんは、講座の前に常に新しい機種やアプリの情報を皆さんに話すという。「せっかく興味をもって来ていただいてるので、最新の情報をお伝えするようにしています。おうちに帰ったら、ご家族に自慢して欲しいです」/撮影:弓削ヒズミ

「便利なことだと思ったら、使い慣れることが大事です。イザという時に役立てるには、元気なうちから慣れ親しんだ方がいいです。スマホは、頭や指先を使うので、脳トレにもなりますよ」

そして、ライフラインとしても欠かせない道具でもあります。東日本大震災の時、安否確認や情報収集に役立ったのはiPadなどのタブレットでした。それが今ではスマートフォンやSNSです。シニアだけに限らず、家族にためにも、自らで使えるようにしたいものです。

教えるコツは平易な言葉と、イメージしやすい説明

自分の親に教える、また、逆に子どもや孫に教わる場合、身内だと「なんで、これが、わからないの〜!?」なんて、ついついケンカになってしまうことが多いのではないでしょうか? 最後に、教室では、どのように教えているのか聴いてみました。

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細かな操作は苦手でも、便利な機能を使うのが楽しいという教室の皆さん/撮影:弓削ヒズミ

「子どもが自分の親に説明する時は、どうしてもカタカナ(専門用語)を多用してしまいがちですが、シニアの人はカタカナが苦手です。説明するときは、なるべく平易な言葉を使うようにしています。例えば『画面の中のボタンをタップする』ではなく、『この赤い丸を押してみましょう』と言い換えています」

「それから、シニアは、画面のタッチ操作が不得手です。1回押しても、すぐに変わらないので2度押してしまったり、特にスマホは画面が小さいので、別の場所を押してしまうこともあります。説明する時は、小さなゴマ粒を拾うような感じで画面を押してみましょう、とか、具体的に動きがイメージさせることが大切です」

人に教えること自体、大変むずかしいことだと思いますが、参考にしてみてください。もちろん、近くのスマホ教室を利用するのもいいと思います。

これを機会に、スマートフォンやタブレット端末を使ってみましょう。

最後に、「爺ちゃん婆ちゃん.com」のスマートフォンでの見方を紹介します。

制作:爺ちゃん婆ちゃん.com編集部

制作:爺ちゃん婆ちゃん.com編集部

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2017年11月取材


《協力》
知るを楽しむ『パソコムプラザ

新浦安駅から、すぐの場所にある、スマートフォン、タブレット、パソコン教室、英会話サロン。シニアに向けた講座が揃い、受講者の多くをシニア世代が占める。
〒279-0011 千葉県浦安市美浜1-7-107
TEL.047-305-6200

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