健康な体づくり
正しく「うがい」してますか?
冬の体調管理に大切なのは、マスク・うがい・手洗いと言われていますが、シニア世代の中には、昔の情報をそのまま信じて実行されている人も多いようです。昨年はマスクのつけ方を取り上げましたが、今年は「うがい」についておさらいしてみます。
イメージ/写真:無料写真素材 写真AC
関連記事=2018年2月01日掲載『ちょっと待って、そのマスクのつけ方、大丈夫?』
うがいはインフルエンザ予防にはならない?
今年もインフルエンザが流行していますが、じつは、その予防対策に「うがい」は含まれていません。あれ? 昔から「手洗い、うがい」と言われていたはずなのにと思われる人も多いことでしょう。でも、近年は行政や医学関係者から、うがいは有効な予防方法として推奨されていないのです。例えば、首相官邸ホームページでは「(季節性)インフルエンザ対策」にも「※ うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません。」の一文が記されています。
参考=(季節性)インフルエンザ対策 | 首相官邸ホームページ
うがいは水さえあれば、どこでもできる風邪予防/写真:無料写真素材 写真AC
ブクブクうがい、ガラガラうがい
しかし、インフルエンザ予防には有効でなくても、風邪予防には有効とされています。インフルエンザと風邪は別モノと考えましょう。うがいは、喉の乾燥を防ぎ、ノドの繊毛の働きを高めるために風邪の予防に繋がるといいます。うがい薬、緑茶などで、うがいをするのも良いとされていますが、水だけでも充分だという検証結果もあるようです。
うがいは、口中を洗浄する「ブクブクうがい」、喉を洗浄する「ガラガラうがい」の2種類があります。
「ブクブクうがい」は、水を含んで口を閉じたまま、頬を膨らませたりしてブクブクと口内をすすぎます。
「ガラガラうがい」は、水を含んで上を向き口を開けながら、ノドをガラガラと鳴らすようにします。
ブクブクうがいをして口内をきれいにしてから、ガラガラうがいを3回ほど行うといいそうです。15秒から30秒を目安として、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。
ブクブクうがい、ガラガラうがい、慌てず、ゆっくりと時間をかけよう/イラスト:無料イラスト素材 イラストAC(編集部にて一部改変)
シニアこそ、うがいの習慣が大切
シニアの場合、風邪予防だけではなく「口腔ケア」としても、うがいの習慣は大切です。
年齢を重ねると、足や腰など身体機能が弱ってくるように、口腔内の自浄作用も弱り、口臭の元となる歯周病や虫歯などにもなりやすくなります。そのため日頃から口腔内を清潔に保つ意味でも、うがいの習慣は大切です。食事をしたら歯磨きがベストですが、外出時など、歯磨きができないこともあります。そうした時は、歯の隙間を意識しながら「ブクブクうがい」を実行しただけでも清潔さが違います。また何よりも口の中がさっぱりするのは気持ちがいいものです。
ブクブクうがいの利点はもう一つ、口や頬を大きく動かせば口腔周囲の筋肉のリハビリにも繋がります。笑顔をつくれるのも、おしゃべりできるのも、おいしく食べられるのも、口元の筋肉と口腔内が健康でなければできません。充実したシニアライフを送るためにも、うがいの習慣をつけてみませんか。
いつまでも笑顔で楽しく会話ができるために口腔ケアとして、うがいを習慣づけよう/写真:無料写真素材 写真AC
文=弓削ヒズミ(編集部)