趣味や愉しみ

《コラム》ダボハゼ見聞記 第15回『あなたの眠り薬は何?』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『あなたの眠り薬は何?』。

眠り薬?

眠り薬というと、経口薬を思い浮かべるかもしれないが、ここでいう眠り薬とは、人が眠るときに、睡眠の誘引となるもの指す。あることによって、自然と眠るきっかけを作る何かだ。人によってそれは違うと思う。ある人は、それがお酒だったり、ある人にとっては、読書だったり、運動だったりするだろう。

お酒は飲めないし、本を読むには目がダメだし、運動は三日坊主で終わるオイラは、心地よい音楽を聴くことが一番の方法だ。しかし、音楽にもいろいろある。クラシック、ポップス、演歌、ジャズ、シャンソン、ラテン等、人によって好みは違う。だがオイラがいくらクラシック好きだといっても、さすがに「剣の舞」を子守唄にすることはない。多分聴いたら、寝床からガバっと起きて走り出してしまうかも。

羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹・・・・と数えれば眠れるなんてよく言うけれど、数えているうちに、あれ?どこまでいったかわからなくなり、また1から数え直しなんてことになり、頭が混乱するばかりだから、これもダメ。

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眠りの音楽とは?

巷には、心地よい睡眠を誘う音・音楽がいろいろと提供されている。「波の音」なんか、同じ音が繰り返されるものだから、ウトウトとなりやすい。オイラもこのCDを持っているが、だんだん飽きが来る。

睡魔を誘うのは、やはり聴いて心地よい音楽だ。イージーリスニングという音楽のジャンルがある。平たく言えばムード音楽だ50年から70年代にかけて、ポール・モーリア、レイモン・ルフェーブル、ヘンリー・マンシーニ等の楽団が演奏した名曲の数々。その中でもオイラが特に好きな曲は、エーゲ海の真珠、シバの女王、黒いオルフェ、ブーベの恋人、男と女、涙のトッカータ等。暗い曲が多いが、やはり明るい曲より哀愁を帯びたこうした曲の方が夜には似つかわしい。もうこうした曲を聴くと何故か胸が一杯になるオイラ。

FM東京(現TOKYO FM)で「ジェット・ストリーム」というJALが提供する深夜番組があった。冒頭ミスターロンリーの曲をバックに<機長 城達也>の名調子で始まる番組だ。「遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休める時・・・」。午前零時から始まるので、丁度寝入りには相応しい番組内容だった。特に城達也の声、名調子には誰しもが心地よく夜の静寂に耳を澄ませたことだろう。城達也は、90年代前半まで<機長>を務めたが、1994年12月31日(30日深夜)の放送を最後に降板、その翌年に亡くなった。その後、その役は何代か替わって行くが、やはり城達也のナレーションが最高だ。現在は、6代目として<福山雅治>がその任を担っているそうだ。そうだというのは、まだ聴いたことがないから。今のオイラ、もうその時間には、寝息を立てているよ。寄る年波には勝てないね。年取ると、早寝早起きになるのは自然の摂理かも。

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掘り出し物!?

先日、リサイクルショップで何気にCDを漁っていたら、<ビージー・アデール>というジャズピアニストのCDを見つけた。オイラが知っているスタンダードのジャズが収められているので、これを求め、枕元で聴いてみた。これが、すこぶる良い!最初の1、2曲を聴いているうちに、深い眠りに陥ってしまう。だから、全15曲あるが、最後まで聴いたことがない。彼女のピアノの音は、時にまるでハープ奏者が奏でるハープ音のようだ。こんな心地いいピアノは初めて。結構なお年のようだが、日本でリリースされたほぼ全てのアルバムがジャズ・アルバム・チャートの1位を記録しているそうな。

オイラが寝るときに聴く音楽は、CDやYouTubeから自分好みの曲を選曲して聴いている。サックスの音が好きで、サックス奏者がジャズやポピュラー曲<サマータイム、ゴッド・ファーザー、ケアレス・ウィスパーなどなど>あるいは、ケニーGのサックス<ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル >など、もう直ぐに眠くなる。

YouTubeでジャズを検索していたところ、ムード歌謡の女王「松尾和子」がジャズを歌っているのを見つけた。彼女は57歳で亡くなったが、若い頃、進駐軍のキャンプやナイトクラブでジャズを歌っていた。彼女の<アゲイン>や<フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン>などは、何とも艶っぽく最高!生で聴きたかったなあ・・・。こうした大人の女性の歌を聴かせる歌手は、今はいない。ただし、彼女の唄声を聴くと、もう、寝られなくなるよ(>_<)。

文:ダボハゼのぺぺ

■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
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