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《コラム》ダボハゼ見聞記 第12回『車中泊による旅(北陸編続き)』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『車中泊による旅(北陸編続き))』。

今夜のお宿

さて、今夜のお宿は、石川県に戻り、道の駅「倶利伽羅 源平の郷」の駐車場で車中泊することにした。ここは静かでいい。温泉も併設されている。車中泊の場合、トイレと温泉の確保がなによりだ。

無料駐車場の確保は、言うまでもないが、この3つの条件を満たしている場所があれば、文句はない。だいたいトイレはあるのだが、温泉が併設されている道の駅やSA,PAは少ない。

温泉が併設されている道の駅「倶利伽羅 源平の郷」/撮影:ダボハゼのぺぺ

今夜は、車上のルーフに寝ることにした。スペース的には大人二人寝られるかもしれないが、実際は一人でも窮屈で、オイラもあっちこっち頭をぶつけたりした。ルーフに上がるのにそれなりの筋力が必要で、普段使わない筋肉を使ったら、足がつった。釣り好きのオイラ、まさか魚じゃなく自分をつるとは思わなかった。ルーフはやはりこの時期(10月中旬)は寒い。

陸っぱりは最高!

話は前後するが、昼間越前の漁港で釣りをした。天気はいいし、風もなく絶好の釣り日和。魚が泳いでいるのが見える。だが、一向に釣れない。こちらから見えるということは、魚からもオイラが見えるということだ。最近の魚は、妙に擦れている。これだけ釣り人がいれば、擦れるのも当たり前か。何しろ、最近の釣りは魚にとって美味しいそうな餌や好奇心を持つような仕掛けなど、手を変え品を変え魚が食いつくように工夫しているが、手の内を見破られているのだ。釣りは、魚と人間の騙し合いと化している。

越前の漁港   防波堤から釣りの釣り /撮影:ダボハゼのぺぺ

オイラは、陸っぱり(陸地から釣ること)から釣るのを常としている。無論遊漁船に乗って釣れば、誰でも釣れる。何しろ船頭さんが魚群探知機を使って、魚がいるところに連れて行ってくれるのだから。ただ、オイラは性にあわない。自分のペースで釣れないから嫌なのだ。一度行ったことがあるが、何事も船頭さんの指示で釣ることになる。当たり前のことなのだが、お金をとっている以上、お客さんにお土産を持たせないといけないと考えるのが商売人としてのわきまえだ。

自分がもう少しこの場所で釣りたいと思っていても、つるツルの一声で、やめなければならない。まあ、乗合船だから性もないが、マイペースで釣りたいオイラからすれば、甚だ不本意だ。

こうして、岸壁から誰からも束縛なく日がな釣り糸を垂れる時間ほど愛おしい時はない。なんて、一向に釣れない釣り人の戯言か。

いかに釣らないか?

さて、帰路は、北陸道、上信越道、関越道、外環道を通る。途中、途中のSA、PAに寄ってその地域の特産品を摘むのが楽しみだ。

小諸で一旦高速から降りて、ナビでマス釣りが出来、その場で焼いて食べられるところを探した。手頃な釣り堀があった。この手の釣り堀は、観光用だから、釣竿から餌までの一式を貸してくれ、初心者でも簡単に釣れる。釣った魚は、買わなければならない。商売上お客さんが沢山釣ってくれればそれだけ儲かるということだ。逆に言えば、いかに釣らないかが客側の腕の見せどころだ。まあ、食べる分だけ釣ることにしよう。

その場で焼いて食べられる小諸の釣り堀 /撮影:ダボハゼのぺぺ

ということで、マス3匹を釣り、炭火で焼いてもらい、食した。
程よい塩加減で、うんっめ~!

釣果であるニジマスの炭火焼/撮影:ダボハゼのぺぺ

再び、高速道に戻り、横川SAで、峠の釜飯と桜井甘精堂の栗ペーストをお土産に購入。1週間ほどの車中泊北陸の旅を終え、帰宅した。

今回、初めて車中泊をしたが、オイラみたいな、時間はあるけど金はない、気ままな一人旅には持って来いだった。次は、どこに行こうか?

横川SA<峠の釜めし本舗> /撮影:ダボハゼのぺぺ

文・撮影:ダボハゼのぺぺ

■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
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