暮らしを彩る

《コラム》ダボハゼ見聞記 第11回『車中泊による旅(北陸編)』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『車中泊による旅(北陸編)』。

夢のキャンピングカー!?

 キャンピングカーによる全国温泉グルメ釣り巡りに以前から憧れていた。また、ボランティアで全国の老人施設や児童クラブ等を訪問する夢を抱いていた。災害時に応急的に電源や宿泊施設の代用にもなることも考えた。コロナ禍で暇を持て余していたので、普段思いもつかないことを考えたようだ。金はないけど暇はあるオイラの願望を満たしてくれる車は果たしてあるのか?無論中古で、本格的なキャンピングカーではなく、街乗りも、車中泊も可能な車を今年4月からネットで検索していた。
 50台ほどピックアップし、比較検討した結果、オイラの条件に合ったミニバンが石川県にあった。ただ、予め現車確認するには遠すぎる。ネットで購入するリスクを極力減らすため、一部同じ機能を持った車を近隣の千葉、神奈川で確認し、石川県の業者に詳細な写真(見えないところを含めて)を依頼したほか、業者とのやりとりは、電話ではなく全てメールで行うこととし、その内容は、契約の一部になることを確約してもらった。

ようやく手に入れた車中泊可能な車 /撮影: ダボハゼのぺぺ

永平寺を訪ねて


 現在乗っているミニバンを下取りにし、この車で石川県まで行き、帰りは購入車で車中泊しながら、帰ることにした。車で北陸に行くのは初めてだ。小岩から外環道、関越道、上信越道、北陸道を経由する約500kmの行程。途中、妙高高原で1泊し、翌日昼過ぎに現地到着。約5時間!かけて業者からの引渡しを受けた。
 せっかく石川県まで来たのだから、隣の福井まで足を伸ばすことにした。数十年ぶりに曹洞宗総本山永平寺に行った。相変わらず、廊下はピカピカに磨かれている。すれ違う若い雲水は目が澄んでいて、修行の厳しさが窺える。オイラの鈍よりした腐った魚目とは大違いだ。

曹洞宗総本山永平寺 /撮影: ダボハゼのぺぺ

新鮮!!地魚海鮮丼

 さて、今夜はどこで車中泊しようか?温泉とトイレがある道の駅やSA(サービスエリア)、PA(サービスエリア)をパソコンで検索。レンタルWi-Fiを持って来て良かった。温泉のある道の駅「越前」の駐車場で泊まることに。食事は、観光協会のお姉さんにイカ丼を食べられる飲食店を教えてもらった。生憎活イカ(カツイカ)ではなかったが、地魚の海鮮丼を堪能した。
 新鮮で美味しかった。店員の若いお姉さんに参考までに魚の種類を聞いてみた。すると、そのお姉さん、ちょっと困ったような顔をして、奥の板場に駆け込んで行った。板さんに聞いたところ、「イナダ、カジキ、キジハタ、タコ、イカ、甘エビ、バイ貝などです」、とわざわざメモを書いて教えてくれた。オイラの記憶力の悪さをよくご存知のようだ。有難い。

観光協会のお姉さんに教えていただいたお店の海鮮丼 /撮影: ダボハゼのぺぺ

 温泉は、ナトリウム炭酸水素塩という泉質で、お肌がつるつる!頭もツルツルにならなければいいが・・・・。露天風呂からイカ釣り船の漁火が見えた。お腹がいっぱいで温泉入って、やることがないので、夜8時には寝た。初めて車で寝たが、寝袋で寝たので、10月だが寒くはなく、よく寝られた。
 この車、優れもので、FFヒーターという暖房装置が付いている。普通、エンジンを切るとヒーターは使えないのだが、エンジンを切っても、サブバッテリーで稼働し、燃料のガソリンで暖房可能だ。これがあるとないとでは年寄りには大違いだ。なにしろ、トイレが近いから。冷えは禁物。

北陸といえば・・・

 翌朝、道の駅「越前」の前に、越前がにミュージアムがある。そこを素通りして隣に「越前うおいち」がある。朝早くから茹で上がった紅ズワイガニや朝獲れ鯖など新鮮な魚が売られている。越前ガニは11月6日が漁の解禁ということで残念だったが、紅ズワイガニを買って食べた。
 小ぶりなものが千円、大ぶりな奴が三千円、どうせなら大ぶりの奴を。ちょっと水っぽかったが、美味しかった。となりで地元の爺ちゃんが茹でガニを食べていた。甲羅の味噌に身を混ぜ食べている。あっ、そうか、そうやって食べるんだ!オイラ別々に食べちゃった。そういえば、テレビのグルメ番組で、カニ味噌に身を混ぜ、それにお酒を注いで食べているのを見たことがあったっけ。爺ちゃん、旨そうだった。

大ぶりの紅ズワイガニ/撮影: ダボハゼのぺぺ


 芦原温泉が近いので、入浴したいと思い、日帰り入浴のホテルに行ったが、今はコロナの影響でデイユースをやっていないということだった。おいおい、こんなところにもコロナの影響が!ホテルの女将さんにどこか温泉に入れるところはないか尋ねたところ、町営の温泉があるということでそこで一風呂浴びた。
 さて、今夜はどこに泊まろうか?

文・撮影:ダボハゼのぺぺ

下へ続く
上へ戻る