暮らしを彩る

《コラム》ダボハゼ見聞記 第16回『今そこにある極楽』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『今そこにある極楽』。


まだまだ続くコロナ

あけましておめでとうございます。
2022年を迎えたが、未だコロナの勢いは衰えず、 新しい変異株 が全国的に拡大しつつある。もういいかげんにしてくれ!と叫びたいが、次から次と出現し、世界中がその対策に追われている。政府は、3回目のワクチン接種を前倒しし、高齢者もすでに打ち始めている区もあるが、オイラの住む江戸川区は、いつになるのか・・・。
コロナが日本に上陸してから丸2年経つが、社会経済活動への影響は計り知れない。特に、我々シニア世代にとっては、人生後半の楽しみを奪い取った憎き敵だ。ようやく、リタイアし人生をこれから大いに楽しもうという時に、やれ会食はするな、人混みに行くな、マスクをしろ、人と距離をおけ、などなど、人との交流を制限するお達しが出て、人生の楽しみを奪われている。

他人との交流

こうした生活を2年続けて、わかったことは、人はひとりでは生きられないということだ。家族、親戚、友人、知人等、人は他人と交流できてこそ社会生活を営むことができる。オイラも最初は、独りで楽しめる趣味を充実させようと、釣りやソロキャンプなどに挑戦してみたが、それはそれで楽しいが、やはり、家族、友人たちと集まって楽しむことがなにものにも代え難いことがわかった。しかし、現実はまだまだ厳しい状況が続いている。当分独りで楽しむ術を身につけなければならない。

ルーティンの変更

人生の楽しみは人によって異なるが、やはり多方は、旅行、グルメ、娯楽、芸術、スポーツなどを仲間と楽しむことに集約されるだろう。今、こうした楽しみが制約されている以上、楽しみ方を考え直すことも必要だ。意外と日常生活の中にそれを発見することができるかもしれない。普段何気なく過ごしている毎日のルーティンを変えてみることも一興だ。オイラは、特に予定がなければ、朝6時ころ起きて、食事をし、新聞とスマホ、パソコンを見て、ランチ。午後はテレビを見て、スマホ、パソコンを見て、時に駅前で買い物して、夕飯を食べ、テレビ、スマホ、パソコンを見て22時頃お風呂に入り、23時過ぎに就寝するのがひとつのパターンだ。このパターンを一つ変えてみた。

日常の中の非日常

夜寝る前に入るお風呂を昼間に入ってみた。湯船に柚を浮かべ、湯の温度を熱めに設定し、浴槽に身体を伸び伸びと横たえる。窓を開けると、冬の冷たい空気が肌に心地良い。柚の香りが仄かに匂い、澄み渡った青空が心を解放してくれる。これは、まさに温泉じゃないか?!しかも露天風呂!!自宅の風呂で、温泉気分が味わえるなんて、入浴時間を変えるだけでこんなにも気分が変わるとは思ってもいなかったことだ。極楽!極楽!民謡「会津磐梯山」にもあるように、小原庄助さん、なんで身上潰した 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上潰した ハア もっともだ もっともだ♪ とあるように、昔の人も楽しみは同じだったのだ。もっとも、オイラ下戸だから朝酒の楽しみがわからないのは残念至極。

浴槽からの眺め/ ダボハゼのペペ

こうした毎日のルーティンを少し変えただけで、違った楽しみが増えるというのもコロナ下で発見した小さな喜びだ。温泉にわざわざ行かなくても、入浴時間を変えるだけで温泉気分を味わえる。ほかにも、普段行かない早朝に散歩するということでも、新たな発見があるかもしれない。つまり、日常の中に非日常を作ることだ。身近な生活の中に、楽しみを発見できる。
オイラは、昼風呂後、普段しない昼寝をした。それも素っ裸で!もう、これも最高!体が温まっているので、布団の中に入ると実に気持ちがいい。バッハのブランデンブルグ協奏曲なぞを聞きながら夢見心地・・・。

いい気分で寝入っていたら、夢をみた!盗人に身ぐるみ剥がされた(>_<)

文= ダボハゼのペペ

■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
公式Facebookページ


下へ続く
上へ戻る