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《コラム》ダボハゼ見聞記 第9回『コロナと生きる』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、やっぱり『コロナと生きる』。

キャンセル・・

新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、感染者は、794万人を越え、死者は43.5万人に達している(6月17日現在)。日本でも、感染者数1万7千人を越え、死者は900人を超えている。

まさか、オイラが生きているうちに、パンデミックが起きるとは思ってもいなかった。ペストとかコレラなど疫病なんて、とおの昔に消滅し、こんな状況になるとは、恐らく世間一般も考えていなかっただろう。このウイルスが厄介なのは、ワクチン、治療薬が未だ開発されてないことだ。従って、私たちは当面このウイルスと付き合っていかなければならない。

 おいおい、ウイルスと付き合うなんてやだよ!目に見えないコロナなんてどう付き合えばいいんだ?コロナの感染は、ほとんど人を介しての感染だという。つまり、他人との付き合い方を今までの付き合い方から変える必要があるということだ。やれ、三密を避けろだの、ソーシャルディスタンスをとれだの、新しい生活様式だの、いろいろ言われているが、他人との接触なしには人間は生きられない。仙人みたく山奥に一人暮らすならいいが・・・・。ましてや、オイラみたいに、爺ちゃん婆ちゃんや子供たちを相手にパフォーマンスを演る者にとって、接触を禁じるなんて・・・。オイラのパフォーマンスは、単に見せるだけでなく、観客のみなさんが参加体験し、触れ合うことに意味がある。それをダメだなんて、オイラに演るな!というに等しい(;_;)。案の定、パフォーマンスの依頼が軒並みキャンセル。

貴重な機会

有料老人ホームでのパフォーマンス

1件だけ、3月末に都心の有料老人ホームで演りました。自粛要請が既に出ていたので、オイラも行くべきか行かざるべきか、迷いました。でも、施設側から来てくださいとのことでしたので伺いました。家を出る前に、自分の体温をチェック。平熱、OK.。手を消毒し、うがいをしてから出かけました。パフォーマンスを演る前に、施設側にお願いしました。観客席を3m以上離すこと。いつもは、観客席に入って、皆さんと触れ合うのだけど、今回はなし。オイラも完全武装しました。頭からビニール袋を被って、演りました。首周りは締めないで、空気が入るよう緩めておいたのですが、いざ、歌ったら、息を吸い込む時にビニールが口を塞ぎ、危うく窒息しそうになりました(>_<)。

袋をかぶってパフォーマンスするオイラ

 無事終演後、控え室で着替えていると、イキナリ!施設長さんが挨拶に来られた。オイラも一言二言挨拶を交わしました。しまった!マスクをしてない!
相手は、40代ぐらい?マスクなし。おいおい、折角、感染対策に万全を期してきたのに、ここで感染かよ・・・?それから、2週間が経過したが、なんともなかった!良かった(^O^)。

新スタイル

これから世の中はどうなるのでしょう?緊急事態宣言が解除されたからといって、感染者がなくなるわけではない。東京は相変わらず二桁の数字が続いています(6月7日現在)。それも、夜の街に遊ぶ20代~30代の若者が多く含まれています。幸い、オイラは夜の街も若者にも縁がない。オイラのお相手は爺ちゃん婆ちゃんと子供達。ただ、老人施設などクラスターが発生しやすい。子供は比較的軽症で終わるというが、シニアのオイラの方が危ない(>_<)。

 こういう状況では、どうぞ来てくださいというのは無理か・・・。困った。ということで、オイラも新しい生活様式を取り入れようと思います。

 まず、第一に、ソーシャルディスタンスの実践として、他人に近づかない。他人を近づかせない。他人に近づかないことは、自分の意志でどうにかなるが、相手が近づいてくるのは避けようがない。近づかせないためにはどうしたらいいか?怪しい人になることです。まあ、オイラ元々怪しい人ですが、一目見て怪しい人と思わせることが大事です。黒の帽子に、サングラス、黒のマスクをしてれば、だいたい他人はこの人怪しいと思って近づかない。現に以前電車の中でこの姿で座っていたら、隣席が空いているのに誰も座らなかった。それでも図々しく座ってくるのはオバちゃんだけです(´Д`;)。

 第二に、SNSをもっと充実します。オイラ現在、Facebook、ライン、ツイッター、YOUTUBEなどを使っていますが(いずれも「ダボハゼのぺぺ」で検索してください)、これらをもっと充実させます。とにかく、他人とモロに話すことが一番危険みたいだから、唾が飛ばないSNSを通じて更に知らない方と交流し、オイラの情報を発信していきます。そういえば、ここのところ通信料がヤケに高い!

 ただ、これら対策も困ることがあります。加齢とともに耳が遠くなり、人と会話するのに2mも離れていたら、聞こえない(>_<)。写真・動画では若く見えたのに、実際にオイラに会ったらジジイであることがバレてしまうかも(>_<)。

まあ、この世界は狐と狸の世界だから、許してくれるでしょ!?

以上、当面できることをやっていけば、そのうち元の生活に戻れるのではないかと楽観しています。

文=ダボハゼのペペ

■Profile■
ダボハゼのペペ
(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
公式Facebookページ

ダボハゼのぺぺ/撮影:弓削ヒズミ

■ダボハゼ見聞記 バックナンバー
第1回「ボランティア活動」
第2回「リタイア後」
第3回「同窓会」
第4回「ほらほらあれあれ」
第5回「新年を迎えて」
第6回「団塊の世代」
第7回「前立腺がん顛末記」
第8回『お帰り! 寅さん!』

下へ続く
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