趣味や愉しみ
開運招福!「新宿山ノ手七福神めぐり」を歩く
新年あけましておめでとうございます。東京都内にはいくつもの「七福神めぐり」がありますが、編集部の地元である新宿にもあるということなので、読者の皆さまの健康と開運を祈願するため、「新宿山ノ手七福神めぐり」に行ってきました。
新宿山ノ手七福神めぐりのパンフレットには、地図と七福神の説明が記されている/撮影:弓削ヒズミ
1年の招福を願う七福神めぐり
恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、寿老人、福禄寿、布袋の「七福神」への信仰は、室町時代中期から始まったといわれ、幸福を招くものとして、庶民の間で広く信仰されました。そこから、お正月に七福神を安置する神社・仏閣を参拝し、その1年の幸運を祈願する「七福神めぐり」が広まったようです。
正月の恒例行事として各地で行われ、東京だけでも江戸時代から続く歴史的なものから、自治体や商店街などが新たに企画したものまで、数多くの七福神めぐりが存在します。パワースポットブームもあってか、年々、七福神めぐりの参拝者は増えているそうです。そこで私たち編集部のお膝元にある「新宿山ノ手七福神めぐり」に参加してみました。
スタート地点も、まわり方も自由に選べる
まずは、新宿山ノ手七福神めぐりの概要から。参拝箇所は下記のとおりです。
鎮護山善國寺(毘沙門天)/新宿区神楽坂5-36
大乗山経王寺(大黒天)/新宿区原町1-14
厳嶋神社(辨財天)/新宿区余丁町8-5(※1/8以降は西向天神社にて受付)
大久保山永福寺(福禄寿)/新宿区新宿7-11-2
春時山法善寺(寿老人)/新宿区新宿6-20-16
霞関山太宗寺(布袋和尚)/新宿区新宿2-9-2
稲荷鬼王神社(恵比寿神)/新宿区歌舞伎町2-17-5
基本として、参拝する順番やルートは自由です。どの神社・仏閣から参拝しても構いません。ただし、効率よく回るなら、善國寺(毘沙門天)をスタートして西に行くルートか、稲荷鬼王神社(恵比寿神)または太宗寺(布袋和尚)をスタート起点にして東に行くルートがよさそうです。新宿山ノ手七福神めぐり公式サイトから地図のPDFをダウンロードすることができます。
ご朱印や小さなご尊像を集める楽しみも
七福神めぐりの醍醐味のひとつ、それは参拝先でいただくご朱印です。各神社・仏閣ごとに特製色紙が用意されているので、最初の参拝先で入手しましょう(特製色紙は各寺社によって値段が違います)。ご朱印代は、各300円。参拝および、ご朱印の受付時間は午前9時?午後5時まで。
新宿山ノ手七福神めぐりでは、小さなご尊像を集める楽しみもあります。各神社・仏閣で祀っているご尊像(各400円)を集めると、七福神がすべて揃うことに。さらに宝船(1000円)に乗せて飾れば、開運招福も間違いなし?!
七福神のご尊像を集めて、部屋に飾れば、この1年間は幸せになれるかも?!/撮影:弓削ヒズミ
めぐる前からワクワクしてきませんか。今回の取材では、神楽坂方面から西に向かうルートを選び、すべて徒歩で行こうと思います。
鎮護山善國寺(毘沙門天)
鎮護山善國寺(毘沙門天)/撮影:弓削ヒズミ
まずは飯田橋駅、神楽坂駅に近い、毘沙門天の鎮護山善國寺から。毘沙門天は、インド出身の神様。毘沙門とは「多聞」と訳し、多くの人々の願いを聞いて叶えさせるといいます。
神楽坂通りの中ほどに位置する善國寺周辺は、商店が並び、にぎやかな雰囲気です。正月気分を楽しみながら、のんびりとスタート。坂を上って、大久保通りに出たら新宿方面に歩いていきます(次の大乗山経王寺、その先の厳嶋神社までは距離があるので、歩くことに自信のない方は、都営大江戸線、都営バスを利用してもいいでしょう)。
大乗山経王寺(大黒天)
大乗山経王寺(大黒天)/撮影:弓削ヒズミ
善國寺から歩くこと約25分、大黒天の大乗山経王寺に到着。福徳を授けるという大黒天。経王寺に安置されている大黒天像は、たびかさなる火災から焼失を免れ「火伏(ひぶ)せの大黒天」ともあがめられているそうです。
厳嶋神社(辨財天)
厳嶋神社(辨財天)/撮影:弓削ヒズミ
経王寺から歩くこと約15分、通称「抜弁天(ぬけべんてん)」こと、辨財天の厳嶋神社へ。七福神で唯一の女性で、水の神様、五穀豊穣の守り神としてあがめられています。厳嶋神社でのご朱印などの受付は正月7日までで、以降は、西向天神社(新宿区新宿6-21-1)で行ってくれます。
1月8日以降のご朱印などは西向天神社(新宿区新宿6-21-1)で行う。厳嶋神社の案内図を参考にしよう/撮影:弓削ヒズミ
大久保山永福寺(福禄寿)
大久保山永福寺(福禄寿)/撮影:弓削ヒズミ
福禄寿の大久保山永福寺は、厳嶋神社から大久保通りを渡ってすぐの場所に。福禄寿は、中国の神様で、長い頭が特徴的。長寿の神として親しまれています。
春時山法善寺(寿老人)
大久保山永福寺(福禄寿)/撮影:弓削ヒズミ
続いて、大久保通りから「まねき通り」に入ってすぐ、寿老人の春時山法善寺へ。辨財天、福禄寿の3神は、近くにあるので移動がラクです。寿老人も福禄寿と同じ、中国出身、長寿の神様です。その違いを調べてみましたが、資料によって諸説があります。とにかく、読者の皆さまの長寿をお祈りしました。
霞関山太宗寺(布袋和尚)
霞関山太宗寺(布袋和尚)/撮影:弓削ヒズミ
法善寺から南へ向かうこと約15分、新宿御苑手前にある布袋和尚の霞関山太宗寺へ。入り口には大きなお地蔵「銅造地蔵菩薩坐像」が出迎えてくれます。布袋和尚は中国の実在した禅僧といわれています。
稲荷鬼王神社(恵比寿神)
稲荷鬼王神社(恵比寿神)/撮影:弓削ヒズミ
最後は、恵比寿神の稲荷鬼王神社へ。太宗寺からは明治通りに出て、東新宿へ向かいます。徒歩で約15分でした。商売繁盛のご利益で有名な恵比寿神は、大国主命の子息といわれている日本古来の神様。海の守護神としても親しまれています。
お正月だけじゃない七福神めぐり
すべて徒歩でめぐって、所要時間は約3時間15分。取材だったので、撮影や資料のメモなどをとったり、食事休憩もいれたり、時間を多めに割いています。単純に参拝だけであれば、あまり無理をしないでも2時間半?3時間ぐらいでまわれるのではないでしょうか。街散歩としては、ちょうどいい距離だと思いました。
すべての七福神を参拝して揃ったご朱印。いま編集部に飾っている
七福神めぐりの多くは、お正月の元日から7日(なかには15日)の間だけ実施となっていますが、新宿山ノ手七福神めぐりは通年で実施されています。この記事をお読みになった後でも体験可能なので、ぜひ、挑戦してみてください。
撮影:弓削ヒズミ
※七福神の名称表記については、新宿山ノ手七福神めぐり公式サイトに準じています。
関連記事=2018年1月5日掲載『開運招福「谷中七福神めぐり」を歩く』
文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2017年1月取材