社会の知識を学ぶ

《コラム》ダボハゼ見聞記 第21回『認知機能検査』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『認知機能検査』です。

わかったふり

今年自動車運転免許の更新に当たり、いよいよ認知機能検査を受けることになった。年齢が75歳となるとその受験資格?義務がある。予めWEB又は電話で予約する。オイラは交通の便がいい某運転免許試験場で受けることにした。

10時30分の回の予約だったが、電車の時間を間違え(この時点で早や認知症の気味が?)会場に入ったのが35分だった。受験者は20名ほど。オイラは、遅れたから一番後ろの席。担当者は女性3人。まだマスクをしている。担当者の女性が何か説明をしている。マイクなし、マスクあり、おまけに席は一番後ろだから聞きづらい。

女性担当者が、「はい、今までの説明わかりましたか?わかった方は挙手願います」と言う。すると全員が挙手。オイラは、一部聞こえなかったがここで手を上げないと、チェックされると思い、渋々手を挙げた。

憐憫の情

 試験用紙が配られた。「まだ開かないでください!」担当者の声。「まだ鉛筆は持たないでください!」いろいろうるさい、いや熱心だ。

「最初に、数字を言います。その数字を例示のように斜線を引いてください」、「はい、では、数字を言います。○と○。始めてください」。

オイラは、○と○に聞こえたので、数字が並んでいる箇所から見つけ、斜線をすばやく引いた。すると脇に立っていた担当者がご親切に○ではなく○ですよ、と教えてくれた。あっ、これこの場で書いていいのかな?恐らくオイラが担当者の説明に聞き耳を立てていたから、この女性担当者がオイラを耳が遠い高齢者と思い、憐憫の情で教えてくれたに違いない。

あれとそれ

 次に、記憶力テスト。カーテンが仕切られ、電気が消されると、正面にスライドが映された。「今から例を出しますから、そのものを記憶してください」。

 すると1組4個の物の絵が写し出された。最初は見るだけ、次に担当者から説明があり、5組20個(?)の物が写された。あれ?もう始まっているのか?担当者に聞くと始まっているという。なんか例を説明すると言うから、まだかと思っていたら、最初から始まっていた!

 一人の爺ちゃんが担当者に質問。その方は、オイラと同じく一番後ろの席。「この席からだと、物がなんだか見えづらい」という。ということで、この爺ちゃん、椅子を持って一番最前列に移動。

 全体で20個?の物が写し出された後、その物を思い出して用紙に書きなさいということだった。「はい、始めてください」。

 う~ん?なんだっけ?あれとそれ、これとあれ?13個までなんとか書いたが、あとは思い出せない。すると、担当者からの「はい、終わります」と非情な声!

 次に、その物の種別の例が示される。つまり、例えば動物とか家電製品とか、その物の種類を示すことにより、その物を思い出させようとする (ヒント)だ。

 鳥という種別が示されているのだが、どうしても思い出させない。

  あとで思い出したのだが、種別を示す前の段階では、思い出して書けたのに、それより容易な種別が示された時点で思い出せないとは、オイラの記憶力はどうなっているんだろう?

果たして結果は?

 結果は、直ぐに通知される。終了から15分ほどして、担当者から名前を呼ばれ、結果の通知書が渡される。

 なんか、中学の時に試験結果を渡される時のドキドキ感があった。

見ると、「認知症のおそれがある」基準には該当しませんでした。との表示。おいおい、なんでこんなまどろっこしい、わかりづらい書き方するの!?最初に見て目に飛び込んでくるのは、「認知症のおそれがある」だよ!もっとストレートに「合格」とか、「認知症なし」とか書けないの!?おまけに、そこには、こう書かれていた。「今回の結果は、記憶力、判断力の低下がないことを意味するものではありません」だと!!いったい、なんの試験なの!???


「認知症のおそれがある」基準には該当せず、ホッと一息

文=ダボハゼのペペ


実際に認知機能検査にどのような問題が出されるのか、気になる方は下記のようなサイトやYouTubeで見れますので、実際に出される問題とは異なりますが、事前の心構えとして見ておくと当日の緊張が少し緩和されるかもしれませんよ。

認知機能検査の方法及び内容 (高齢運転者支援サイト)
https://www.zensiren.or.jp/kourei/what/what.html

2023年 高齢者講習【認知機能検査 イラスト覚え方】
16種類64枚の絵 全パターン 免許更新 認知症テスト(YouTube)

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■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
公式Facebookページ

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