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仮想通貨の購入トラブルに注意!
最近、よく耳にする「仮想通貨」。新たな投資なのかと、よくわからないまま購入して、トラブルに巻き込まれたというシニア世代が増えているようです。
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仮想通貨に関するトラブルが急増、相談者の5割は60代以上
「仮想通貨」をご存知ですか。国家による価値の保証を持たない貨幣のことです。それならビットコインのことじゃないの? と思われた人、それも正解ですが、ビットコインは、仮想通貨の一つで、他には、イーサリアム、リップル、ライトコインなど、600〜800種類も仮想通貨があるというのです。
ニュースや新聞では見かけるけど、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。シニア世代にとっては、インターネット上だけの取り引きというだけでもハードルが高いのに、仮想通貨の種類も多く、理解しにくいものです。
でも、なんだか儲け話らしいぞと言われてしまうと、わからなくても乗ってしまうのが人間の欲望。最近は、わからないまま手を出してトラブルに巻き込まれてしまったなんてことも多いようです。
例えば「必ず値上がりする」と知人に言われ、売却目的に仮想通貨を購入したところ、儲かるどころか支払ったお金も戻ってこないというケースや、セミナー・講習などで必ず配当がつくからと聞いて仮想通貨を購入してトラブルになったケースがあるそうです。
仮想通貨に関する相談件数は年々増えていて、独立行政法人 国民生活センターが平成29年3月30日に発表した報道資料によると、2014年度の194件から、2016年度は634件という結果に。相談者を年代別にすると60歳代18.6%、70歳代23.6%、80歳以上9.4%と、60歳以上の割合は50%を超えます(参考:PIO-NET からみた相談の傾向(2016年度))。
仕組みを理解し、リスクを認識する
仮想通貨を利用する際は、以下のことに注意しましょう。
?仮想通貨交換業者が、登録業者なのか確認する
仮想通貨を購入するには「仮想通貨交換業者」を通します。取り引きする業者が金融庁・財務局の登録を受けているか確認しましょう。金融庁・財務局のホームページで調べることができます。
?仮想通貨のリスクを認識する
仮想通貨は価格が上がれば儲けになりますが、価格が急落して損することもあり、投資などと同じくリスクがあります。また不正アクセスやサイバー犯罪などによるリスクも理解したうえで利用しましょう。
?仮想通貨の特性や契約内容がわからなければ取り引きしない
数100種類もある仮想通貨、それぞれの特性が異なり、よく調べてから取り引きしましょう。契約内容も曖昧な理解のままではなく、理解できないなら断ることも視野に入れましょう。
決して仮想通貨を否定しているわけではありません。おそらくインターネット上での決算や、海外サイトでの買い物など、今後、利用範囲が広がり、普及していくことが予想されます。
でも、まだ新しい仕組みや技術だけに、知識がない人への詐欺的な勧誘なども多く、気をつけなければいけません。巷に溢れかえる情報を見極めていくのも、これからのシニア世代の常識です。
仮想通貨は、じっくりと勉強してから、自己責任の範囲で利用しましょう。
文=弓削ヒズミ(編集部)
《参考》
独立行政法人 国民生活センター「知人からの勧誘、セミナーでの勧誘による仮想通貨の購入トラブルにご注意 – 「必ず儲かる」という言葉は信じないで! – 」
独立行政法人 国民生活センター「投資や利殖をうたう仮想通貨の勧誘トラブルが増加 – 「必ず値上がりする」などの説明をうのみにせず、リスクが理解できなければ契約しないでください – 」