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東京散歩 Vol.11/駒込ソメイヨシノ発祥の地めぐり

いま話題になっている東京のスポットやイベントに行き、リポートしていく不定期企画「東京散歩」。すでに満開を迎えている場所も多い「桜」ですが、数々の有名スポットがあるなかで、ソメイヨシノ発祥の地という「駒込」界隈を訪ねてみました。

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ソメイヨシノ/撮影:弓削ヒズミ

ソメイヨシノの発祥地・駒込

いま全国を代表する桜といえば「ソメイヨシノ」です。ソメイヨシノの発祥地が東京・駒込なのをご存知でしたか? かつて駒込の一部は江戸時代に「染井」と呼ばれ、巣鴨とともに花卉・植木の一大生産地でした。この地で数多くの園芸品種が誕生し、そのなかでエドヒガンザクラとオオシマザクラを交配して作られた桜がソメイヨシノです。地名に由来し「染井吉野」と名付けられました。

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ソメイヨシノは明治時代以降に広まった品種で、接木もしくは挿し木などで繁殖させる。そのため、いずれの木も同じ遺伝子を持ち、条件が揃えば一斉に開花する/撮影:弓削ヒズミ

今回、ソメイヨシノの発祥地「染井」を歩いてみましょう。JR駒込駅北口を出たところにあるのが「染井吉野記念公園(駒込2-2-1)」です。公園内には「染井吉野桜発祥之里」の記念碑があり、ソメイヨシノの交配元となったエドヒガンザクラとオオシマザクラが植えられています。週末の4月1日には「第19回染井よしの桜まつり(※)」の会場となっているので、お祭りを楽しみたい人はぜひ。

※参考:染井よしの桜まつり|豊島区公式ホームページ

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JR駒込駅北口の横にある「染井吉野記念公園」。豊島区としてソメイヨシノ発祥の地をプッシュしているようで、区のシンボルマークも桜をモチーフにしたものとなっている/撮影:弓削ヒズミ

かつて植木屋さんが軒を連ねたという「染井通り」を歩く

駒込駅北口前の横断歩道を渡り、歩いてすぐの「染井橋」から右に続く道路が「染井通り」です。江戸時代、通り沿いには多くの植木屋さんが軒を連ねたそうです。その名残りなのか、たくさんの桜が植樹されていて、歩きながらお花見が楽しめます。

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染井通り沿いにある「私の庭・みんなの庭」という地域住人たちが自主管理している公園の桜/撮影:弓削ヒズミ

染井通りをまっすぐ、およそ700〜800メートル歩いた先が「染井霊園(駒込5-5-1)」です。1872年に雑司が谷霊園とともに開設された都営の共同墓地で、園内には100本近いソメイヨシノが植えられ、桜並木の遊歩道が有名です。

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染井霊園は、二葉亭四迷、高村光太郎、岡倉天心など多くの著名人のお墓があることでも知られ、桜とともに文学散歩も楽しむことができる/撮影:弓削ヒズミ

染井霊園から、歩いてきた道を戻り、染井駐在所の手前を曲がったところにあるのが「染井よしの桜の里公園(駒込6-3-1)」です。満開のソメイヨシノの下で子どもたちが遊んでいました。公園の隣にはソメイヨシノの苗床があり、成長したら区内や全国に送り出されるそうです。

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銀行の跡地に作られた染井よしの桜の里公園。桜のシーズンになると地元町会によるお祭りなどが開催される/撮影:弓削ヒズミ

公園から駒込小学校へ続く道も美しい桜並木となっています。昼間は「西福寺(駒込6-11-4)」の白い壁に桜のシルエットが浮かび、夜は提灯の明かりによるライトアップ(※)もあり、幻想的なお花見も楽しめます。

※ライトアップ開催時期などについては、事前に、染井よしの町会ホームページなどでお調べください。

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桜が満開になると、並木道はまさに桜のトンネルといった様相に/撮影:弓削ヒズミ

駒込小学校の隣にある公園が「門と蔵のある広場(駒込3-12-8)」です。染井を代表する植木職人の旧丹波家の蔵と、旧藤堂家下屋敷から移築されたといわれる門が設置された公園です。蔵は2007年12月に国の登録有形文化財建造物に登録され、土日祝や桜のシーズンには一般開放が行われています(※)。

旧丹羽家住宅蔵内で展示開催|豊島区公式ホームページ

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江戸時代後期に建てられたと推定される門は、植木の里として栄えた歴史を物語るシンボル的存在となっているようだ/撮影:弓削ヒズミ

駒込周辺には染井通り沿い以外にも、旧古河庭園、六義園など、桜や自然を愛でるスポットがたくさんあります。週末のお花見は、ソメイヨシノ発祥の地めぐりなどいかがでしょうか?

文・写真=弓削ヒズミ(編集部)2018年3月26日取材


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