健康な体づくり

《コラム》ダボハゼ見聞記 第19回『ジジーになった日』

七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマー、ダボハゼのぺぺさんが、好奇心の赴くまま、自ら見て、聞いて、体験したことを、シニア世代の本音として、また団塊世代の視点で綴る不定期連載コラムです。今回のテーマは、『ジジーになった日』。

左膝がボキッ!

コロナ前は、地元のスポーツジムに週2、3回通っていた。それが、コロナが蔓延し、近隣のジムでコロナが発生したニュースが流れたことから、足が遠のき、結局退会してしまった。

運動不足になるので、最初のうちは、家の中でストレッチを週2、3 回やっていたが続かず、それもやめてしまった。これではいけないと思い、あるとき、少し激しいストレッチ、膝に限界までの負荷をかけた。座ったままで両膝を伸ばし、何分まで伸ばしたままでいられるか挑戦してみた。もう限界という時間は、5分だった。その時は、膝が少し重いなという感じはあったが、特に問題なく過ごせた。

それから2~3日経った日、車を運転し、赤信号で停車したとき、座席の座布団の位置を直そうと両足に力を入れて腰を浮かせた。その時左膝がボキッ!と音がした。と同時に膝の痛みが強烈に襲ってきて、思わず叫んでしまった。とりあえず、車を歩道側に寄せ、しばらく休んで左足は使わずに運転し帰宅した。しかし、歩くことができず、家人に手伝ってもらい、ようやくの思いで部屋に入れた。

整形外科いろいろ

タクシーを呼んで、整形外科のある病院へ家人に連れて行ってもらった。初めて車椅子に乗り、家人に押してもらい診察を受けた。<はあ、車椅子ってこんな感じか・・・>目線が低いところから、人を見上げる感じになる。後ろから押してくれるから、楽は楽だ。ただ、自分が先頭になるから、妙な感じだ。みんながこちらを見ているように思われる。

しかし、なんだって整形外科は混んでいるんだ?ジジババで一杯だ。オイラもその一人になったかと思うと情けないやら切ないやら複雑な思いだ。

1時間以上待たされて、ようやく診てもらった。レントゲンを撮りますということで、更に待たされ、そのレントゲンの結果をもとに先生が説明してくれた。加齢で、膝の軟骨が減っていますとのご診断。わずか1分ほどの説明。あんなに待たされて、ご診断は1分かよ!痛み止めと湿布薬をもらい、ようやく帰宅。どうにも腑に落ちないオイラ。あのボキッという音はなんだったのか?靱帯が切れたのかと思ったほどだ。そこで、再度別の整形外科で見てもらうことにした。

そこは、整形外科専門のクリニック。予約制で予約して行ったが、それでも1時間ほど待たされた。今回はMRI検査をお願いした。先生は、写真で詳しく説明してくれた。半月板の一部に水が溜まり、O脚による外側の膝の骨が軟骨の磨り減りにより擦れて痛むとのことだった。靭帯も痛めたようだ。変形性膝関節症!あらら!?もう完全にジジーじゃないか!?手術するほどではないが、気休めの痛み止めと湿布薬を処方された。それとサポーター、足底板を勧められた。団塊世代のオイラ、まだまだ若いつもりでいたが、身体は確実に老化が進んでいることを認識させられた。トホホ(>_<)。

疑心暗鬼

しばらく、通院することも考えたが、対処療法しかないのでは、いつ治るのかもわからないし、オイラ待たされるのが大嫌いなので、家で様子を見ることにした。 その後、薬局に行って、何か薬はないかと相談したら、軟骨生成に効果があるとされるコンドロイチンが一番多く配合されている薬を勧められた。まあ、藁をも掴むような気持ちで6千円もするその薬を購入するも、1ヶ月で辞めてしまった。こういう薬は、サプリメントと同じで、直ぐに効果が出ないから、せっかちなオイラには向いてない。今は、某製薬会社のグルコサミンなんとかというサプリメントを試している。多分これも1ヶ月飲んだら辞めると思う。風邪薬と違い、効き目が一向にわからないサプリメントは、オイラみたいな、貧乏人で猜疑心が強い人間には製造会社を儲けさせるだけとの想いが強く、続ける忍耐力はない。

ユックリズム

10日ほど経って、少し歩けるようになったが、左足に力を入れると痛む。階段の上り下りが苦痛だし、走れない。コロナ前には、マスターズ大会100m競争に出場し、17秒台で走っていた(いつもペケだが)面影はない。足の筋力が落ちないようにしたほうがいいと思い、できるだけ近場で外出しているが、横断歩道がなんと遠いことか!もう信号が点滅すると、気が気じゃない。気ばかり焦って足が動かない。前は、車を運転していて、ジジーがゆっくり歩いていると、早く行きなよ!なんて思っていたのが、いざ、自分の立場になってようやくわかった。ゆっくり、ゆっくり、歩きましょ!

文=ダボハゼのペペ


■ Profile ■
ダボハゼのペペ(だぼはぜのぺぺ)
東京都江戸川区の小岩生まれ。年齢不詳。クラウン、日本シャンソン協会正会員、元・笑い療法士など、七つの顔をもつヴォーカル・パフォーマーとして、福祉施設や老人ホームなどでボランティア活動を行う。シャンソン歌手としてライブにも出演。2010年より「カーボンオフセット・コンサート・アソシエーション」を立ち上げ、地球温暖化防止推進団体へ寄付するためのコンサートを主催する。
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